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修羅の国  作者: きつね
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祭り囃子

間に合った!

 身を潜めてから、2日が経過した。

 未だに外からは、幾つもの世辞の句が聞こえてくる。

 とわいえ、初日に比べると大分静かになってきた。今生きているのは、初日に見た個性豊かな五人や、そこそこの実力者、それに俺みたいな上手く逃げ隠れしている者位だろう。

 しかし、この中で確実に俺のような者には、その他の者のポイント候補以外の理由が存在しない。

 何せ、逃げ隠れしているのなら余程の幸運(ポイントを沢山取った者が瀕死で倒れているなど)がない限りたいしたポイントは取れていないからだ。

 実際俺は、ここの地形を活かして何とか四人切ったがポイントは十ポイントしかない。

 恐らくだか、あの五人は四桁は稼いでいるだろう。

 正直、このポイントを集めるとどうなるかはわからない。ゲームとかならアイテムの交換とかだろうが、そのような説明はない。とわいえ、ポイントが足らなかったら死んで蘇生が出来ず滅びたりするわけではないだろう。

 それなら、初日の転移した瞬間に周りの人を切る奴がもっといたはずだ。それに、離脱した奴らも、あの五人もこの祭りをもっと楽しもうと思っている動きだ。

 別に滅びたりするわけではない、ポイントでアイテムが交換出来るわけでも無いとすると、後は名誉とかだろうか?

 名誉、つまりはランキング。

 このポイントの獲得によって順位付けがされているのなら、納得だ。

 なにせ、お知らせにもランカーと明記されている。恐らくだか、あの五人はランカーなのだろう。つまり前回の祭りで最もポイントを稼いだ者達。そりゃ、あんなに強いわけだ。

 そうなると、俺が今出来ることはどんなに考えても二つくらいしかない。

 一つ目は、此処でこのままじっと息を潜めていること。

 二つ目は、ランカーの誰かに特効して殺される事。

 絶対に一つ目の方が賢い選択だろう。だけど、どうせ蘇るこの世界なら。賢く生きるより愚かに死にたい!

 それが男のロマン!

 それに、このまま居たらペナルティくらいそうというのもある。この世界、殺し合いを推奨してるしな……

 よし、行動しよう。


 そう思って隠れ場所からでたのが大体十分前。

 未だにランカーは見つからない。

 何処にいるのだろうか?

 

 「よう!新人少し良いか?」


 後ろから肩を叩かれた。

 その瞬間俺は、二つの衝撃を受けた。

 一つは単に後ろを取られた事に気付けなかった事。

 二つは後ろを取られ未だに死んでない事。

 「何ですか?」

 だけどなるべく驚きを悟られないよう、ゆっくりを振り返り返事をする。

 だって、悟られたら殺されるだろうし……

 「そんなに必死に驚きを隠さなくても切りやしないよ」

 速攻でバレました。

 「えっと……要件は何ですか?」

 とはいえ、刀の軌道を確保している人に気を許すとか飛び降りより自殺行為だから……ね?

 「まだ言葉が固いけど、まぁいっか。ランカーを殺しに行かない?」

 は?

 そんな「コンビニいかない?」みたいな感じでいわれても……あっギャグかな?

 「勿論、冗談だよw」

 「ですよね、よかったぁ」

 だよね、あのランカーを殺すとか出来るわけ無いもんな。

 「そうそう、正確にはランカーの決闘邪魔しない?」

 「またまた、そのランカーネタ流行ってるんですか?」

 「え?、流行るわけないじゃん。こんなネタ言ったらランカーに単独狙いされてるよ」

 「なら、えっと、大丈夫なんですか?」

 「大丈夫、ネタでいってないからw」

 その言葉を聞いて、俺は即座に刀を抜き斬りかかる。

 「巻き添え回避切り!」

 「やっぱこうなるよね、慣れてるよ!」

 しかし、焦って放った攻撃が今まで生き残った人に届く訳もなく、難なく回避される。

 そして、刀を返す暇もなく首に冷たい金属が当てられる。

 さて、どんな句を唄ってから死ぬか。

 この頭のおかしな奴を呪いつつ、美しいのがいいな。

 最初の祭りでの死だし。



 あれ?

 


 あれ?


 まだ切られないの?


 「話、聞いてくれる?」

 「あっ、はい」

 ドスの効いた超えに思わず返事を返してしまった。

 「よかった、また協力者を切ることになるかとおもった~」

 むしろ、切って欲しかった。

 あぁぁ、ランカーってどのくらいこれを根に持つかな?

 「作戦を説明するよ?まず、君がランカー二人『剣聖未刀』と『天上無双』の決闘に割り込む」

 「すみません、その時点で無理そうなのですが……」

 てか、仮に出来ても報復が怖いのでしたく無いのですが……

 「大丈夫割り込むだけで良いから。少し二人の気を引いてくれたら、後はこっちが遠距離攻撃仕掛けて一網打尽にする。」

 「遠距離攻撃って、どんな攻撃ですか?」

  この世界、遠距離攻撃ってまだ弓矢くらいしかみてないし、弓矢だってあの門番の弓使いしか持ってないし……

 「そうだな、いろいろ有るが今回使うなら針と石かな?」

 針?石?

 「それを投げるのですか?」

 「そんなわけ無いだろう。そんなことをしても、ノールックで避けられて終わりさ」

 ですよね、というかノールックで避けるとか……うん、出来そうだわあいつら。

 「だから射つんだよ」

 「射つ?」

 「そ、火薬を込めて銃みたいに」

 「銃がこの世界有るのですか?」

 「は?有るわけないだろ。作るんだよ」

 気が遠くなりそうな話だな。まぁ、銃を作るとなれば時間がかかるし、最悪その間に死ねば良いや。

 「だから、とりあえず火薬と筒を取りに行くぞ。時間が勝負だから今日中に突撃な」

 「いやいや、流石にここで銃を一から作るのを今日中はできませんよ!」

 「お前、頭の固いな。そりゃ現代みたいなしっかりした物を作るなら大変だが、一度射てれば万々歳だからな。適当な筒に火薬詰めてその後に石とか針を詰めて密閉すれば即席火器は作れる」

 あー、なるほど?

 「とりあえず、移動しませんか?」

 「何故だ?」

 え?、この人気付いてないの?

 「何故って、さっきからこっちを数名が屋根の上から狙っているですが……」

 「あー、まっ準備運動がてら切るかな」

 は?、少なくても三人は居るぞ?

 「そんじゃ、行ってくるわ」

 彼は、刀を取り出すと空中を蹴り敵に接近、慌てた敵の刃をかわして一撃で仕留める。

 これを後二回繰り返し行い。

 僅かな合間に三人を仕留めた。

 

 それは、遠目だからようやく見える戦闘だった。


 「これが俺の実力。ランカーほどじゃないけど中々でしょ?」

 「そうですね、逃げても殺されそうです」

 「そっ、ならわざわざ誘導した甲斐があったよ」

 誘導とか、ふざけんな!

 とか、言えたらな~

 えっと、この人の名前聞いて無いよな。

 「話すのに不便なので名前教えて下さい」

 「あー、悪かった悪かった。『祭り囃子』だ。よろしく」

 なに?その二つ名。

 「いえ、二つ名呼びはハードル高いので本名教えて下さい」

 「……本名だよね、ちょと待って、今思い出すから……たしか、川っぽい感じの……」

 えっもしかして自分の名前忘れたの?この人。

 そう言えば、ランカーの事も二つ名で呼んでたな。

 名前覚えない感じの人かな?

 「ごめんわからないわ。ここに来てから名前なんて使わないしな」

 「言い訳にしても、もっと考えて下さいよ」

 「言い訳じゃ無いって。ここに同姓同名がどれだけ居ると思ってるんだよ!」

また読んで下さい

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