祭りの始まり
三話目を投稿です
前略友よ。
俺は今修羅道に居ます。こちらに来てから、様々な死を経験し人間的に凄く(偏った)成長をしました。
一時期こそ、何事にもやる気を無くして、いた頃も有りましたが今は元気に殺戮を行っています。
とりあえず20秒を過ぎたのでこのくらいにして、とにかく俺は元気です!
あの後
竹藪に入った俺を待っていたのは数多の殺意にまみれた刀だった。
俺自身、あの刀使いや弓使いとの戦闘のお陰でかなり、強く成ったと思っていたが、その自信ごとあの刀は切り裂きやがった。
そして、蘇ると今度は竹藪の中に蘇るようになっていて、何回か死ぬまであの岩場を探したが見つからない。
と言うか、毎回蘇る位置が変わっているように思える。これじゃ、何度試しても意味がない。
それに敵も、刀使いや弓使い門番をいうあいつらと違い。
「くたばれ、ポイント!上空上段切り」
「そんな、見え見えの攻撃食らうかよ。返り討ち切り!」
こんな感じに俺だけを狙うわけでもなく、互いに殺し会うし言葉も話す。
それに何より、死んだ奴も気付くと生き返っている。
恐らく、奴らも人間だ。しかし、言葉が通じても話は通じない。何度か、必死に攻撃から逃げながら話しかけたが、全て殺された。
ならば、ただ殺されるのはプライドが許さない。
せめて、俺を殺した奴だけは道連れにしてやる!
「助太刀、漁夫の利切り!」
と言うわけで、今そこで切り合っていた二人のをまとめて腹を貫く。
「あまかった、まだ伏兵が、残ってた」
「新人か、顔は憶えた、次殺す」
「ポイントあざーす」
ここで、そこそこの時間を過ごせば、一見てか百見ただの無法地帯にしか見えないここにも、幾つかの暗黙の了解があることが解る。
まず一つ目、襲いかかる際には必ず何々切り!と叫び、切りかからなければその後その人に単独狙いされる。さらに、それを見た者達から雑魚だと思われ狙われる。結果、精神的にきつく成る程殺される。
そして二つ目、殺られる時は一句唄ってから死にましょう。これは、単純にその方が楽しいから。
最後に三つ目、単独狙いは一をされない限りやめましょう。気分が悪くなった周りに殺されます。
以上!殺し殺される関係を肯定した上のマナーの数々終わってますねこの世は。
てなわけで。
「道連れに、するならやめろ、復讐は」
くそ、字余りだ。
蘇生までに、さっきの殺られ方を復習しよう。恐らくだが、二人とも俺のせっきんに気が付いて、道連れにするために刀を返しやがったのだろう。
そして、再び竹藪の中。
すると俺は、視界に表示された「祭り参加のお誘い」という変わった表示に気付く。
「祭り参加のお誘い」
さあ、数ある地獄の中でも最も野蛮で狂暴な皆さん。今回も遠征が間もなく終わり、ランカーが帰還します。
せなわけで、ランカー帰還から約72時間特設会場にてバトル・ロワイアルを行います。
ルールにつきましては、祭り開始と同時に説明いたします。
なんか、ここ地獄だよな。ゲームの中みたいなノリで、お知らせがきたぞ?
「ひゃっはー!、お知らせ不意打ち切り!」
「うっせい!返り討ちだコラ!」
人が悩んでいる隙に斬りかかってきた、野蛮人の腹を切り裂き殺害する。
一句唄っているようだが、声が小さくて聞こえない為無視する。(内蔵を抉られ肺でも傷ついているのだろう。たく、どこで傷つけたのか)。
だか、野蛮人くんのお陰でいきなり地獄からゲームに転移したという、馬鹿な展開は否定出来た。
証拠は、切り裂いた臓物が生暖かいからだ。ゲームじゃこのリアリティーは出せないな。
さて、とりあえず祭りの事は置いといて。
「人狩りいきますか!」
この後、五人程狩ってから狩られた。
あのお知らせから少しして、俺は昔ながらの城下町にいる。
あのお知らせから、数日くらいしてから再びお知らせがきた。
「祭りのルール説明」
さて、ついにランカーが遠征より帰還した。よって祭りを始める。
ルール全部で3つ。
一つ、開催期間中特設会場『城下町』から出られない。
一つ、死亡者はこの期間中『亡霊』となり会場をさ迷える。なお、蘇生は祭り後となる。
一つ、開催72時間で祭りは終わり、その時点での殺した数が得点となる。(死亡者の得点はその者を殺害した者に移動となる)
では今から開始とします。
なお、ランカーに限りポイントは二倍になります。
その連絡を合図に、俺は浮遊感を感じ一瞬にして城下町に転移した。
視界には、おれと同じく転移してきた人間が大量にいる。
しかし、その多くは瞬時かつ全力でその場を離脱していった。
残ったのは、長さ2m程の大太刀を持つ美少年。
打ち刀を腰に携えあくびをする青年。 短刀と打ち刀を両手に持ち構えることなく、鋭い眼光で辺りを見渡す老人。
錆び付いたかのような鈍い光を放つ刀を持つ中年のおっさん。
短刀にしても短い刀身の刀を逆手に構える少女。
そして、その者達が持つ威圧感によって逃げ遅れてしまった、俺のような哀れな人々。
幸い、五人は互いを牽制しあって動かない。逃げるなら、今しかない!
俺は、そう考えここから逃走をしようとした。
その瞬間……
ザッ……ドッ。
最近よく聞く刀が肉を切り裂く音と共に、重いものが倒れる音がした。
俺はゆっくりと、周囲の怪物に目をつけられないように本当にゆっくり、音がした方に目線を向ける。
そこには、俺と同じように逃げようとした哀れな人々の一人が倒れていた。
そのとなりには、血の付いた短刀を舐め、満足そうに笑顔を浮かべる少女の姿が……
即座に俺は、逃走を諦めた。
だって、これ動いた奴から殺されて逝くじゃん。てか、さっき死んだ人あの少女から一番遠かったよな……
とはいえ、このままじっとしていれば言いという訳ではない。今俺が殺されていないのは、あの五人が互いに牽制しあっているからだ。誰かが動き出せば、俺らは戦場を飛ぶハエの様に殺されるだろう。
さて、どうしよう。せっかくの祭りだし楽しみたいからな~
そんなことを考えていると、中年のおっさんが深く踏み込みあくびをする少年に上段から斬りかかる。
それを少年は軽く受け流すと、中年の腹に蹴りを入る。
これを合図にに他の三人も一斉に動き出す。大太刀の美少年と二刀流の老人は互いに激しく打ち合いながら近くにいた哀れな人々を切り刻んでいく。
少年と中年は互いに刀を鞘に収め構える。彼らの刀の攻撃範囲に入ってしまった人々が、一瞬にしてその首を切断されていく。
少女は気付くと姿を消していた。
さて、俺はといえば哀れな人々どうし互いに切り結び乱戦を繰り広げる。
四方から襲いかかる刀を前に出ることで避け、前の奴に斬りかかる。
「死ね!逃げ道作成切り!」
「一人さえ、殺せず終わる、祭りかな……」
さぁ、逃げろー
こんな地獄にいられるか!。あっ、ここ地獄だったな忘れてた。
俺は何とか離脱し、近くの長屋の陰に身を潜めた。
スタック切れたので、次は少し遅れるかも…