言燈
おそらくその言葉はシャボン玉
昭和レトロの風が吹く
モノクロームのその言葉が
まるでプラネタリウムのような
寂れた路地裏のような
鏡越しでも夢の中
ケミカルな腹の底で
ロジカルな仁義が蠢いていた
愛想を尽かした通行人
言葉を絆したアイソトープ
僕に頭上を見せてくれないか
頸に絡みつくその前に。
議事録は残らない
シャボン玉は脆い
その言燈の濃淡が
綺麗なシンメトリーの花びらで
身に沁みた
秋扇の概況に対等な感傷を寄せる
古い空の暖かさを知る
龕灯をもって来てくれないか
それでも見つめていたいのだと