パッション編 プロローグ
やる気消えてきた...そろそろやめるかもしれん
あれからどれだけ歩いただろうか
俺は隣村にたどり着いた。
村人たちに旅の途中で賊に襲われて持ち物をすべて奪われたと言ったら
あっさり信じていろいろしてくれた。アホどもだ。
というわけで俺はこいつらから搾取する生活をしばらく続けていたのだが、
王国の事件の噂を聞いたという村人が出てきたのだ。
どうやら国家元首に手を出した者を探しているらしく、
明日にでも王国の調査隊がこの村に来るようなので、俺は村から出ることにした。
村人に聞いておいたほとんど人が寄り付かないという魔術師の住んでいる所に寄ってみることにした。
そこに住んでいる魔術師は少し気が触れているらしいが大した問題ではない。
なぜなら俺は前の世界で気が触れた奴らとたくさん接してきたからだ。
「んー、ここで会ってるはずなんだけどなぁ・・・」
言われたとおりに道を進んできたが、それらしき建物はおろか人の気配が全く無い。
「誰だお前ええぇぇぇぇ!?!?」
いきなり声をかけられた。
慌ててそっちの方を見てみると、ゴスロリの衣装を身に纏った高身長の男が立っていた。
こいつが魔術師だろうか、だとしたらまあ少しは気が触れている部類なのだろう。
しかし前の世界で異常者と大量に接してきた俺にとってはこのくらい普通だ。
「え、あ、あの、キーツって言います・・・」
「キーツ?キッッッッッッッッッッツwwwww」
なんだこの反応は・・・なんと言ったらいいかわからない。
「え、えーっと、あなたのことはなんと呼んだら良いんですか?」
「おr・・・まあパッションでいいぞ」
変な名前だ・・・
「ええっと、パ、パッション、さん?あぁぁ、あ、あなたがこの辺に住んでいるって聞いたんですけど、どこに
住んでるんですか・・・?」
「は?そんなんブリュンヒルデの家に決まってるだろうが」
えぇ・・・誰だそいつ
「え、ええぇ、そのブリュンヒルデさんって誰なんですか?え、えぇっとえ、えええ、え、っと、奥さん?」
「は?俺はブリュンヒルデから生まれたんやぞ」
実家暮らしかよ・・・
「あ、あぁぁ、はいわかりました、なるほど、お母さんの家がこの辺にあるってことですね?」
「は?俺がブリュンヒルデやぞ」
前言撤回、こいつはヤバイ。めちゃくちゃ異常だ。
「え、えっと、とりあえずその家に連れてってもらっていいですか?」
「は?しゃーねーなぁ連れてってやるよぉwwwwwwwwww」
普通に快諾してくれた、良かった。