2.異世界交流は突然に
ガチャッ
へっ……何ここ? まるでRPGとかに出てくる変な祭壇みたいなところなんだけど、しかも扉も消えちゃってるじゃん、それに……
「なぁリールさんよぉ、ここは俺の知ってる世界じゃあないよな……」
「当たり前なのです!」
「!? イヤイヤイヤ、当たり前じゃなくてですねぇ、帰れるんじゃあなかったのか?」
「誰も帰れるなんて言ってないのです、人の話をしっかり聞かないからこうなるのです!」
なんてこった、じゃあ本格的に異世界に来ちまったということに……
「じゃあ、ここはなんていうところなんだ?まさか、また知らないとか言い出すんじゃあないだろうな」
「こっちの世界については知ってるのです! と、言いたいところなんですが、残念ながら知らないのです」
マジか……なんて使えないやつなんだ
「むっ……今失礼なこと考えましたね、リールだって好きで知らないわけじゃあないのですよ!」
「スマンスマン……ってあれ? おまえ扉について知ってたのに、なんでこの場所がわからないんだ?」
「んー、実を言うとその扉についてもよく知らなかったのです、こうふと思い出した感じで……」
えっ…それってもしかして……
「記憶喪失ってやつじゃ……」
「……そう言われれば、確かに私の名前以外はあまり覚えていないのです」
オイオイ、マジか、マジですか、マジで記憶喪失だって? ハハハ冗談もほどほどにしてほしいなぁ、なんて……
「はぁ……なんの情報もなしでどうしろと言うのですか……」
「まぁ……元気出してくださいなのです」
くそぅ、慰めなんて欲しくないやい……
「はぁ……わからないものは仕方ないとして、とりあえず外に出てみることにしますかね」
「切り替え早すぎなのです!?」
そう! いつまでもクヨクヨしてても何も始まらない、挫折したあとすぐに立ち直るのが一流の人だ……って何かの本で読んだしな
「さて、外に出るには……この扉か ―バァン
ぶわぁ!」
「へっ? ああ!すいません大丈夫ですか? 」
あっ……これ立ち直れないやつだ……
ドサッ
「ちょっと、マスター大丈夫ですか!?」
リールくん、僕はもう疲れたよ…… ―ガクッ
「あれ? すいませーん、もしもーし……返事がない、どうしよう……
◇
ふわぁー、あーよく寝た……ってあれ?ここ俺の部屋じゃないぞ、一体ここは……
ガチャ
「あの、目が覚めましたか? 「どこだ……って、あああ!!」
「ひゃうう!」ビクッ
思い出した、思い出してしまったぞ……俺は確か扉にぶつかったんだ、でも一体誰が……はっ!もしやあの国民的ロボットの仕業では? そうだそうに違いない!
「あ、あのー……大丈夫ですか?」
ん?誰だこの可愛い子、金髪ロングで白いワンピース?的なものを着ている、これはまるで……
「あの、すいませーん」
「あぁ、君が天使か」
「……ふぇ?あ、あの……それはどういう」
ガチャッ
「おや、起きてたのかい、いやーうちの娘がやらかしちゃったみたいで……」
「へっ……どういう事ですか?」
「あれ、覚えてないんですか!? 私が勢いよく扉を開けちゃってそれで……」
なん……だと……まさかあのドアバンの犯人がこの天使だというのか、それならば……
「いやいや、覚えてます、まぁあれは自分の不注意が招いた事ですから別に起きになさらなくとも」
「いえ、それじゃあ私の気がすまないんです、なんでもいいからつぐなわせてください」
ん? 今なんでもいいからって言ったよね、だったら……
「じゃあここがどこなのか教えてください」
「へっ……そんなことでいいんですか?」
「そうだよ…あんた、こういう場合はもっと色々あるだろうに……それなのに、ここはどこか?なんてねぇ」
「いやぁ〜こちらにも色々ありましてね、……ってあれ?」
「どうかしました?」
「あのー、俺と一緒にいた手乗りサイズのやつ、知りません?」
「一緒にいた? ……いやあなた一人しか見ませんでしたけど……」
なんだと……ということは、リールはもしかしてドアバンの衝撃で……哀れな奴だ
「マスター、もしかして私がいなくなって喜んでるのです?」
「そんなことあるわけが……ってリールいたのか!」
「さっきからいたのです!それとマスター、私がいなくなったと思って寂しいと思ってくれてたんですね」
「うるせぇやい! 別に、そんなこともなかったし」
くっ、満面の笑みしやがって、でもなんだかんだ言いつつもリールがいると安心するんだよな……
「えっと……すいません」
「はい?なんですか?」
ん?なんでそんな変なものを見るような目をしてるんだ?
「言いにくいんですけど、あの……さっきからどなたと会話してるんですか?」
「……えっ」
勢いで書いてみた二話目です。これからどんな話になって行くのか自分でもよくわからないくらいに勢い任せになっちゃってると思いますが楽しんでくれると幸いです。