プロローグ
世界を収める神の頂点的存在、
ハルメリユによって世界から”形あるものはいつか壊れる”と言う概念が消された。
木々は永遠と生い茂り実を付け、
水や食べ物も動物達の身体を循環した後は素の状態に浄化される。
資源は無限に作り続けられ、発生したゴミは美しかった元の状態に戻る。
魔法の存在する世界になった。
しかし心臓だけは人の手は加えられない一度きりのままであった。
安定して資源は取れるようになり 物資の取り合いは無くなり
人も争う必要がなくなったのか紛争もなくなった。
地球上の生き物が和気藹々とする平和が訪れたのだ。
しかしそれも長くは続かなかった。
誰もが好きな様にやりたい事をやりたいだけ、
自分の為にできる。資源なら無限にある。
それが可能になったなら、人は楽な方を選ぶ。
そうやって沢山得られる幸福はいずれか常識となってしまい、
スリルを求める者、
どうにかして植物を浄化しない様にする毒薬を開発する者、
唯一戻せない心臓を壊す者。
厄介な者達が次々と現れた
それからは破滅だった、世界は猿よりも退化した脳の人間達の争いが勃発した。
そこでもう1人の神”メルベル・ヴィンテッド”は地球に
”形あるものはいつか壊れる”
と言う概念を元に戻そうとした。
(メルベル・ヴィンテッド。
平和を愛し、家族や友人に対する愛情注いだり色々な感情を抱く人間の事が大好きで、地球にとても興味を示している若い女神。
当時彼女は21歳である。
又、それは神界での年の数え方であるため人でいうと100歳は軽く越しているという)
しかし彼女は神界でも身分が低く、”ハルメリユ”達(ハルメリユは権力故に色々な神が味方していた)は人間の無様な様を見て楽しんでいるようで、
彼女の言う事を聞き入れるどころか耳を傾けさえしなかった。
彼らに受け入れてもらえないようじゃ、実現は無理に等しい様なもので、
彼女は諦めるしかないのかと心を傷めた。
しかし、笑い者にされている地球の様子を見ると、
悔しくて、歯痒くて、
居ても立っても居られなかった。
(地球の人間は複雑な感情を抱ける、
時には最愛の人の為に努力をする。
素敵な生き物なのです…、これまでの宇宙にはそんな生き物いなかった…、
それなのに、このままでは絶滅してしまう!)
地球を長年見てきた彼女には人間のあるべき姿はこうではない、
彼らは協力し合い、彼らだけに与えた沢山の感情を抱ける脳で、相手を思い、尊重し合える、
それが出来る存在だと。
そんな人間に対する思い入れのようなものがあった。
やはり地球を戻したい。
彼女は決心した、
自らが地球に降り立ち、自身の持つ全ての力を使ってでも地球を元の姿に戻そうと。
彼女は沢山たくさん考えて、一つの計画を実行した。
ハルメリユについて、地球について、
決して誰にもバレないように…
その結果、地球の原理を元に戻す事が出来た。
だが、その分代償も大きかった。
勝手な行動をとったメルベルに酷く怒ったハルメリユは彼女に呪いをかける。
ハルメリユも醜いものだ…、彼女を〇〇〇〇にしてしまうなんて
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