5話 ウルの思惑
5/21 貨幣の価値と基準を修正しました
2018/04/18 いろいろと改変しました
「す、少しお待ちください!さすがに金貨500枚は!」
事前に調べた結果では確かこの世界の通貨は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、の順で高額になっており、100銅貨で1銀貨、100銀貨で1金貨、そして1000金貨で1白金貨だったはず。
ちなみに『原初の世界』の通貨で考えるなら1銅貨=100円くらいだから金貨500枚は5億円ほどだ。
こんなにもらってよいのだろうか。
「む、足りないか。だから言ったであろうウルよ。金貨500枚ではダメだと」
「いえ!逆です!貰いすぎではないかと思いまして・・・・」
「何を言う!息子の命に比べたら金などいくらあっても足りぬ!これは我の心からの思いだ」
「う~ん、そういうことでしたらありがたく頂戴いたします」
「うむ、うむ。それから図書館への入館許可と禁書庫への入室許可が欲しいそうだな。普通の入館許可は出せる。だが禁書の方は全てとはいえん。申し訳ないな」
「いえ、十分でございます。」
「うむ、ではこれにて謁見を終了する。ウルから聞いたが冒険者になるらしいな。ヴァイスからはおぬしの剣はすばらしかったと聞く。これからの活躍に期待する。今宵は王城にてゆっくりするがよい」
「はっ、ありがとうございます」
こうして王との謁見は終了し、私はズシリといろいろな意味で重い袋を持って客室へと戻った。
城での夕食はマナー通りとはいえに何度もおかわりをして後で後悔し部屋で沈み込んでいた。
夜になりそろそろ寝ようかと思っていると来客を告げるノックの音がした。
「レイヌ様、まだ起きていらっしゃいますか?」
「あぁ起きてるよ」
そう告げるとドアが開きミリアが二人の美女と美少女を連れて入ってきた。
さっきの王の隣にいた女性の二人だ。
「申し訳ございません、王族の方とは思わず無礼な言葉遣いを」
「ふふっ、いいのよ。改めましてわたしはアルバ帝国第一王女、アリエル・レイオットと申します。弟を助けていただきありがとうございます」
そういったアリエルさんは眼鏡美人だが少しきつそうなイメージがある。
もう一人のツインテールの美少女はなぜか顔を赤くさせこちらをポーっと見ているがどうしたんだろう?
「ほら、メイ。あいさつしなさい。」
アリエルさんに肘で突かれやっとこっちへかえってきた美少女はあわあわとしたあと慌てておじぎした。
「こ、こんばんはレイヌ様!アルバ帝国第二王女のメイトラ・レイオットといいます!ウルお兄様を救っていただき、あっありがとうございます!」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
メイトラさんにあわせてこちらもおじぎするとまた顔を赤くして急いで部屋を出ていった。
なぜだ?
「まったくメイったら。すみませんレイヌ様。彼女は少し照れ屋でして」
「いえ、いいんです。私のような出身もわからない無骨ものに緊張されたのでしょう」
「そういうわけではないと思いますが、まぁいいでしょう。ウルが自慢していました、初めて対等に扱ってくれる友人ができたと。これからも仲良くしてあげてください」
「はい、私の方こそよろしくお願いします」
アリエルさんはこれで用は済んだというばかりに部屋から出ていった。
一見きっぱりとした性格と誤解しそうな行動だったが、部屋を出ると辺りを見回していたのでおそらく飛び出したメイトラ姫が心配だったんだろう。
そういえばさっき二人にステータスを見たと19歳と15歳だったがレベルが42と12だったな。
ウルがたしかレベル26だったはずだからこのあたりが一般的なレベルなのだろうか。
今日得た情報を整理するため考え事をしているとウトウトとしてきた。
そういえば、人間は睡眠が必要だったな。
そしてついに眠気に負け、のんきに寝てしまった。
翌朝、朝日が窓から入り私の顔を照らすなか爽快な気分で目を覚まし、ミリアさんの運んできた朝食を食べているといきなり客室のドアをバンッと音が鳴るほどの勢いで開け、ウルが入ってきた。
「おはようレイヌ。よい朝だな。」
「おはよう。たしかにいい朝だがもう少ししずかにできんのか?」
「はっはっは、何ごとも元気が一番だ!ところで少し話がある。時間をくれないか?」
さっきまで笑顔全開だったが急に真剣な顔となりメイドたちを部屋から退出させた。
こいつのこんな顔初めて見たな。
「人を遠ざけたからには重要な話なんだな」
「あぁ、実はな・・・。」
ゴクッ。
重たい雰囲気におもわず息をのんだ。
「今朝前髪を少し切ってみたんだ。感想を聞かせてくれ」
「どうでもいいわ!!」
そんなくだらないことかよ!!あの真剣な雰囲気はなんなんだったんだよ!
「用件はそれかよ!感想は今言った。どうでもいい!わかったら自分の部屋に帰れよ!」
「はっはっは、意外とお前が我のノリに乗ってきたのでな、ブチ壊してみた。なにせこれから話す内容はかなりデリケートだ。だから少しでも話しやすいような雰囲気をだな・・・」
「ごたくはいいからとっとと話せ!」
あぁもう・・・こいつと話してると頭が痛くなる。
こいつ本当に王子かよ。
「せっかちなやつだ。話というのはだな」
ようやく話してくれた内容は確かに他の者には聞かせたくないものだった。
ウルの話を要約すると、現在アルバ帝国は時期帝王の選抜時期らしい。
第一第二王女のアリエルさんとメイトラさんは相続権がないらしくウルとウルの兄のあの謁見のとき王に苦言を呈した男のどちらかが相続するそうだ。
現状はウルの方が有利な状態になっていることから、兄の方はウルのことを元々嫌っていることも総じて排除しにかかっているそうだ。
昨日の盗賊モドキも兄を押している貴族の手の者らしい。
あのときたしかあいつらは後がないとか言っていたからおそらく弱音を掴んで無理やり襲わせたとかそんなところだろう。
というかデリケートどころの話のじゃないだろう!やめてくれよ!私は世界を救うという仕事があるのに面倒ごとはごめんだぞ。
「話は大体わかった、だがなぜ私に話す。私は昨日初めて会った出所のわからないやつだぞ」
「なに、なぜかピンときたのだ。お前、いやレイは信用できると。それに協力してもらいたいからだ」
「協力?なにするんだ?」
「いやなに、なにかあったら我を守ってもらいたいのだ。お前の強さは昨日の惨状をみるにかなり期待できるからな」
やっぱり裏があったか、小悪党なやつだ。
「絶対というわけにはいかないが了解した」
まぁこのくらいはいいだろう。
この問題には-のリソースは関係なさそうだがせっかくこの世界でできた初めての友人だ、協力ぐらいはしてやろう。
「すまぬ。ところで今日は冒険者ギルドにいって登録するのであろう、見に行っていいか?」
「お前が来たら大騒ぎになるだろう。遠慮してくれ」
ウルはブーブーいいながら部屋を出ていったが出る直前のあの顔、絶対なにかする気だ。
これはミリアさんに見張っているように言った方がいいな。
一国の王子がウロチョロするなよ。
命を狙われているんじゃなかったのか?
そんなことを思いながらようやく朝食を終え外に出る準備をする。
さすがにこれ以上城での寝起きは悪いと思うから宿にでも泊まろう。
さいわいお金ならあるししばらくは問題ないだろう。
・・・・うん、しばらくどころではないな、この額は。
ミリアさんにそのことを伝えると引き留められたが自分の力で今は生きてみたい。
やんわりと断ると少し悲しそうな顔をしたが去り際に「いつでもいらしてください」とおじぎをしたミリアさんの姿を背にまだ見ぬ冒険者ギルドへと歩を進めていった。
・・・なんか悪いことした気分だな。
たまに戻って姿だけでもみせていこうかなっと感じながら歩いているといつのまにかギルドについていたようだ。
ウルから聞いた道順は最短距離だったみたいだが、なにか仕掛けているかと思い警戒していたが問題なかったようだな。
さて気分一転、扉を開けいざ冒険者へ・・・・。
「うぼぉぉぉぉぉ!」
・・・入ろうと思ったんだがなぁ。
いきなり変な男が建物から飛んできたが、なにがおきたんだ?
ダイナミックな歓迎です。(ウソ)