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赦されざる巫女  作者: 浜花采沙
幕間
7/11

わらう彼方に待つ存在



 宙を舞うそれは、世にも珍しい白銀をその身に持っていた。その色は私が本来持っている色と同じで、だからか私はその色を見せられるそれが羨ましくも好きになった。

 ひらひらり。そのひとつが、伸ばした手のひらに落ちる。


「……まだ、」


 重さの感じられないそれを、私はそっと握り込む。


「まだ、始まらないよ」


 ひらひらり。白銀が舞う景色に混ざるように黒と白の蝶が舞う。

 その光景は、もう何度目だろう。


――    ?


 耳元で囁く声に、私はゆるゆると首を振る。


「まーだだよー」


 まだまだ気付かない人たちは、きっと()をちゃんと認識できていない。それは悲しくもあり、淋しくもあり、それでもなんとなく嬉しかった。

 どうかまだ気付かないで。なんて、愚かな願いを口にしてしまう。そんなものは、無意味なのに。


――  ?


「うん。まだ僕の勝ち」


――  ?


「おかしい?」


――    。


「ふふっ素直だなぁ」


 私はようやく耳元で囁く存在に目を向ける。


「でも、そうしないと()()()()()()でしょう?」


 その存在は居心地悪そうに体を揺する。直視されるのを厭う者らしい。じっとこちらを窺う瞳に、私は笑顔を浮かべた。


「また来るね」


 次は、きっと、始まりの時だ。


――まってる。


 鈴を転がしたような可憐な声が、消えゆく私に応えてくれた。

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