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あなたの願いが叶いますように
烈風が吹きやむ。
少女が目を開けば、そこは海を眺望できる風船を捕まえた小高い丘だった。帰ってきた喜びと、いわれのない少しの悲しみが胸にあふれる。
彼の夢を叶えなくてはと、少女はひとつ残った紫色の風船を胸に抱き——玉のような涙を流して、夕の海を眺めた。
自分の住む世界の海は、日々涸れていくことを彼に話した。だからか、優しく頭のいい少年は、自己のために夢を願わなかった。これでは、私が帰れたかどうかなんて分かる由がないじゃない。
砂浜を飲み込むように、水かさが増していく。砂に囲まれ意味を成さなかった船着場にまでのぼっていく。
海の近くに住むユメワタシ達が、砂浜へ集まるのが見えた。
「忘れることなんてできない」
海を見るたびに、きっと彼を思い出す。忘れないでと願ったあの真摯な瞳とともに。




