第一話
どうも、オリジナル作品は初めて書く黄金馬鹿と申します
この小説は最弱であり唯一の例外の少女が主人公のお話です。そして、展開は王道物に要らないものぶち込んだ展開になります。ネーミングセンスゼロで文才皆無の馬鹿が滅茶苦茶な設定でお送りする話ですが、何書いてんだこいつと嘲笑いながらどうぞ、見ていってください
ここはこうした方がいい。この文の書き方は駄目だ。この設定は無茶がありすぎる等ありましたら気軽に罵倒の言葉を添えて言ってくれるとありがたいです
真夜中。魔物が蠢く危険な時間。さらにその中の最も危険と言える森の中。
顔も隠せるフード付きのマントで顔を隠し、フラフラと歩く人が一人。
性別はマント故に分からないが、背中には大きな剣がある。
「お腹…………空いた……」
女特有の高い声でそう呟いたその人は、フラフラと前へ前へと歩いていく。
その先には、大きな城と、それを囲む城壁のようなものが暗闇の中で薄い灯りに照らされて見えた。
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魔法世界アルトリア。その世界では人間と動物と魔物と妖精が存在している。
人間は大陸から発せられる魔力の元、魔素を体内に取り込み魔力とする事で例外無く『魔法』を使う事が出来、魔物は魔素から生まれた生物であり、草食、肉食、人食と種類がある。妖精はエルフとも呼ばれ、人と有効な関係を紡いでいる魔力をエネルギーとし生きる生命体だ。
その大陸には六つの王国がある。その中の一つ、キリギス王国。そこでパン屋を経営する一人の少女、モモカ・キャロル。
この物語は彼女が巻き込まれた、人々が知る事の無い物語である。
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「えっと……三点で150ゴールドです。あ、丁度ですね、ありがとうございました。」
キリギス王国の移住区でひっそりと開かれているパン屋、モモ。
そこの幼い店長は金色の髪の毛を肩ほどまで伸ばしている。目は青色の若干16歳の少女、モモカ。
昼と夜に自分でパンを沢山作り、朝にそのパンを売り捌き生活費とパンの材料費を稼ぐ生活。
「ふぅ……今日の営業お~わりっと。」
店の外に出て、ドアの中心にかけてあるOPENと書かれたプレートをひっくり返しCLOSEに変える。
今日はパンの材料が底を見せかけてたため、10日に1回程度の材料の仕入れの日である。
すぐにパン屋の二階である自宅の中に入って営業用の服から私服へと着替え、たくさん材料を買うためにかなり太った可愛い財布をポケットに入れる。
そして、営業用の服に着けてある鉄で出来たバッチを服の裾に目立たないように付ける。
「よし!」
自分の全体が見える鏡で身成を確認した後、すぐに家の外へ出る。
「えっと、小麦粉沢山と……えっと……とりあえずあっちに着いてから考えよう!」
あっちとは、夜までやっている食材売り場である。
天気もいい為か、ちょっとご機嫌なモモカは軽くスキップしたり、小走りしながら先へ先へと進んでいく。
途中、すれ違った常連であるおばちゃんや歳上のおっさん位まで歳をとった男の人等に挨拶されたり手を振られたりしながら売り場へと向かう。
が、角を曲がろうとした時、急に飛び出してきた人物を避けきる事が出来ず、モモカは止まることができず正面から、その人物は当たりに行くような形でモモカとぶつかった。
「へぅっ!?」
そのまま後ろへドサッと尻餅をついたモモカだったが、急に飛び出してきた法は何事も無かったかのようにしてる。
「いたた……ご、ごめんなさい!」
殆ど相手がモモカにぶつかる様に当たってきたのだが、モモカは立ち上がって謝ってからすぐその場を去ろうとする。
「オイ、人にぶつかっておいてそれだけか?あぁ?」
が、その前に後ろから声をかけられ、その後ろの人物の取り巻きらしき二人がモモカの進路を塞ぐ。
「……通してください。」
モモカがそう言っても、進路を塞いでいる二人はニヤニヤとしているままだ。
「人にぶつかってその程度で済むと思ってるのか?お前。」
さっきぶつかった人がモモカに言う。が、顔はニヤニヤと笑みを浮かべたままである。
振り返ってぶつかったのが誰かと確認すると、最近こういう事をしていると巷で言われている所謂不良、ガミルだった。他の二人の名前はモモカは知らなかった
「だから謝ったじゃないですか!」
確かにぶつかったのはモモカだが、相手もタイミングを合わせたかのように走ってきた。さらに、普通ならこんな面倒ごとにはならないが、こうまでしつこくしてくるのなら、確信犯だと言うのは間違いないだろう。
「許してもらいたいなら金だしな。慰謝料ってやつだ。」
この世界にも慰謝料等はある。だが、それは専門の機関で見てもらないといけない程の大怪我をさせた場合のみ払う事になっている。ぶつかって無傷な相手に払うような物ではない。
「嫌です。怪我もしてない人に払うなんて出来ません。」
ツンとした態度で言い返す。
「ほう、金が払えないのか……なら、体で払ってもらおうか?」
モモカより一回り大きな体から手が伸び、モモカの手を掴む。
「ちょっ……やだ……離して!」
モモカがその手を力一杯振り解く。伊達にパン生地を毎日力一杯こねていない。
「チッ……こいつ、魔法も使わず下手に出てたらいい気になりやがって……」
「いい気になってるのはそっちでしょ!?」
なんとかその場から逃げたかったが、進路を塞ぐ二人が絶妙な動きでモモカを逃がさない。その動きを何処か別な場所で使えばいいのにと考えていると、ガミルが手をかざした。
「『ウォーターボール』!」
ガミルのその声と共にガミルの手に青色の魔法陣が発生。その魔法陣の中心に水で出来た球が生まれ、モモカに向けて放たれた。
それになんとか反応して転けるように避ける。バシャッ!と勢い良く地面に叩きつけられた。飛び散った水がモモカを濡らす
「魔法……故意に人を魔法で傷つけるのは犯罪ですよ!?」
「おっと、ウォーターボールが誤爆しちまったぜ。決して故意じゃねぇんだがなぁ。次誤爆したらお前に当たっちまうかもなぁ。」
「あなたって人は……!」
ガミルの服には銅色のバッチが光っていた。
(うぅ……銅色……)
それを見た瞬間、モモカは魔法を相殺して逃げるという気は失せた。どうやって逃げようか。それを考える。
が、それはイレギュラーによって中断された。
ボスッと音を立ててガミルの背中に誰かがぶつかったのだ
「あ?」
「……ぶつかったのは謝る。けどそこは邪魔。」
ガミルは今モモカの走ってきた角を曲がるとすぐの所に立っている。ろくに確認しなかったら普通にぶつかってしまう。
ガミルの背に当たったボロボロのマントで目元と体を隠した人物はそのままガミルの真横を通り過ぎる。が、ガミルはそれを許さず、その人物の肩を掴む。
「おい待てよ。何人にぶつかっておいて……」
ガミルがそのままマントを剥ごうとするが、マントの中から素早く手が伸び、ガミルの手首を掴んだ。
「邪魔。」
そして、手首を掴んだ手に目に見えるほど力が込められる
「ぐぁっ!?」
ガミルが手を振り解く。ガミルの手首には握られた後がついていた。
「こいつ……ぶっ飛ばしてやる!『ウォーターボール』!!」
マントの人物から距離をとったガミルがウォーターボールを発動する。
モモカが危ないと叫ぼうとした時、マントの人物は腰に手をやると、何かを手に取った。
それはスラリと伸びた一本の鉄の棒。包丁より長く、鋭い、斬るための道具。
「剣……?」
魔法が発達した中、最早使う者など王宮に仕える騎士の中でもかなりの物好きしか居なくなったそれを、そのマントの人物は抜き放った。王宮の騎士も最早飾りとして装備しているそれを抜き放ったマントの人物は切っ先を地面に向けながら、姿勢を低く構えた。その時、太陽の光が剣の側面を照らす。剣の側面にはこの世界の文字ではない文字が掘られていた
そして、次の瞬間。放たれたガミルのウォーターボールに向けて走り出した。
無謀。魔法に向けて走り出すなんてよっぽど回避に自身のある者しか出来ないし、魔法による遠距離戦が主流の今では魔法には魔法で相殺するか、横に回避するのが一番安全だ。だが、マントの人物は飾りとも言えるたった一本の剣を持って魔法に向けて走り出している。
モモカも取り巻きの二人もそのマントの人物が吹き飛ばされる光景を予想した。だが、その予想は外れた。
『斬った』のだ。ウォーターボールを、魔法を。その剣で。
ウォーターボールと交差する瞬間、かなりの訓練を積まないと出せないような速さで振るわれた剣はウォーターボールを真ん中から切り裂いた。
斬られたことで二つに別れたウォーターボールは右左に飛んでいき、マントの人物から逸れた。
マントの人物はそのままガミルに肉薄。剣を使わず、走った勢いそのままガミルを蹴り飛ばした。
「ぐぉぁっ!?」
ドガッ!!と民家の壁にぶち当たるガミル。
『ガミルさん!』
取り巻きの二人がガミルに向かって駆け寄る。
「いってぇ……こ、このマント野郎!覚えておけよ!!」
マントの人物を指さし、捨て台詞を吐いて取り巻きと共に走り去っていくガミル。
モモカはマントの人物の後ろでポケーっとしていたが、マントの人物がいきなりドサッと音を立てて倒れたのを見て我に返り、慌ててその人物に駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか!?」
うつ伏せで顔を横にして倒れているその人の体を揺さぶる。そして、揺さぶり続けて数秒後。
「おなかすいた……」
ぐぅ~……と腹の虫が鳴く音がモモカの耳にはその人の声と一緒に聞こえた。
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「はぐはぐ……」
場所は戻ってパン屋モモ。
マントの人物を何とか抱えてパン屋モモまで戻って引きずって階段を上がらせて椅子に座らせてから売れ残りのパンを目の前の机の上に置くと、マントと剣、それとその中に着けていた金属の胸当て、肘当て、膝当てを取ってからパンをガツガツと食べ始めた。
マントの中の顔は黒色の目と髪。そして女性特有の膨らんだ胸、細いながらも筋肉の引き締まった手と足のモモカと同じくらいの少女だった。
「美味しい……」
「そう?よかった~」
「まともな食事、一カ月ぶり。」
「えっ?」
思わず聞き返したが、彼女はパンを食べ進めるだけだった。
まともな。と言ってたため、おそらく何かしらの物は食べてただろうと仮定して問う。
「一ヶ月間何食べてたの?」
「毒のない草……それと水。」
毒のない草。それで一瞬雑草が頭をよぎったが、流石に雑草と水で飢えを凌いたとは考えたくなかった。だって、そこら辺に生えてる草でも、ちゃんと調理して食べれば美味しい食菜はあるからだ。
「食べてて分かった事がある。雑草は不味いって。」
「ほんとに雑草食べてた!?」
「あと、お腹壊す。」
「当たり前だよ!他に食べるもの無かったの!?」
最低限土などを払えばいいが、どんな雑菌がついてるかも分からない。おそらく、彼女はそれに当たったのだろう。
「周りに雑草しかなかった。」
「この王国に雑草しか生えてない場所なんてそうそうないよ!?」
この王国は城を中心に城下町が続き、海にも隣接し、川もそれなりの数流れている。だが、森と言った森や林は城下町の外、王国の外にしか無い上に、畑などはあるものの、雑草が生えてる場所なんて殆んど無い。あったとしてもしばらく歩けば食べれる物は生えてるだろうし、親切な人がいたら一食分は食料を貰えるだろう。
「わたし、ここの王国に住んでない。」
「え?そうなの?」
モモカの問いにコク。と頷いた。
だとすると、この少女は王国の外からここまで歩いてきた事になる。
基本的にこの王国は商業が目的でない限り出入りが自由だ。だが、王国間を移動するのは魔物に襲われる可能性もある為、他所の王国から違う王国へ行く人はかなり少ない。
「ま、魔物とかに襲われなかったの?」
「焚き火をしておけば弱い魔物はよって来ない。ただ、ずっと起きてなきゃいけないから洞窟の中で仮眠してた。」
「襲われた時は?」
「あの剣で斬った。この王国に来る前に洗ったから血はついてない。」
その言葉を聞いてさらに驚いた。
弱い魔物は銅のバッチの魔法使いでも倒せるが、中堅位の魔物にもなると金のバッチの魔法使いや王に仕える騎士一人分の強さを持ち、上位の魔物にもなると騎士十人以上が纏めてかからないと倒す事すら出来ないほどだ。
火でよってこなかったのは下位の魔物と考えれるが、目の前の少女は中堅クラスの魔物を一人で、剣を使って倒したと言っているのだ。
「あ、でも剣と魔法を使って倒したんでしょ?」
剣だけで魔物を倒すのは考えにくい。だから、目の前の少女は魔法の扱いにも長けているのだと考えた。が、
「わたし、魔法使えない。」
「え?」
ちょっと区切るところが悪いですが、これ以上だと長くなるのでここで切らせてもらいます
次回からはあまり前書き、後書きは長くしません