ただ、至高を目指して

　生まれる時代を、世界を間違えた男がいた。世界は間違いを許さない。それこそ至高なる存在が敷いた絶対の法あるから。ゆえに、間違いは正されねばならない。
　生まれる世界を間違えた男――神谷志朗。彼は死んで転生した。是非もなく彼はただ至高を目指す。それ以外には何も要らないと全てを捨てて、三千世界、遍く全てを斬れてしまえと願う。
　それこそが前世からつづく願いであるから。強者との戦い、至高の斬撃。これはそんなものにしか興味のない男がただ至高を目指すだけの物語である。