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倉庫1

年中行事ー鏡餅シリーズ①ー

作者: 転々丸

挿絵(By みてみん)


11月のある日。

生協さんのチラシに、例の写真がデーンと載っていた。


鏡餅である。

……いや、正確に言えば、**鏡餅“もどき”**である。


二段になった白い物体。

中に切り餅が3つ入っていて、

上には橙(もちろんプラスチック製)。

紙製の三方さんぽうまでついていて

なんだかちゃんとしてる感がある。


「今年もこれにしようかねぇ~」と

毎年つぶやきながら注文する。


いざ届くと、赤白の紙を山折り、谷折り、また山折り。

子どもの頃の図工の記憶がよみがえる。

完成した御幣ごへいをくっつけ

橙のお尻のシールを剥がしてぺたっと貼り付ける。


――はい、今年もできあがり。


見た目は立派。

でも、なんかこう…**“年中行事のフリ”してる感**、あるよね?

---


「便利な世の中になったねぇ~。

 昔はひび割れたりしてたもんよ。」


「それ言うと、年寄りって言われますよ」


「まあね。でもさ、これ、

今流行りのエコとはちょっと逆行してない?」


「え?」


「だって、**毎年、同じの買い替えてるのよ?**」


「お餅入ってるし…それは食べますよね?」


「うん。**お餅は食べるよ**。

でもさ、プラ部分は…なんとなく、また新しくしたくなるじゃん?」


「……つまり、使命感で棚に飾ってる?」


「そう。**年中行事のフリ**してね」

---

正月らしさを演出しながら、年々進化する鏡餅キット。

でもそこには、「毎年なんとなく新調しちゃう」

不思議な空気が流れている。


使命感なのか、習慣なのか。

ただひとつ確かなのは――


「今年も簡単に、完成しました。」



ご覧いただきありがとうございますm(_ _)m


こちら、二本立てとなっております。

よろしければ、ミカンなど召し上がりながらどうぞ。

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