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旅先の出来事

デンマークで韓国人の女の子にたかられてしまった話

 飛行機でデンマークに渡って、列車と船で北欧四か国を周る一人旅。

 本当はコペンハーゲン到着の翌日にはスウェーデンに渡ってしまいたかったけど、Helsingør(ヘルシンゲァ。ヘルシングエーアとかヘルシンゲルとも)からスウェーデンのHelsingborgヘルシンボリへ渡るフェリーの予約が取れなかった。

 で、他都市へ移動できずコペンで余分に一泊する事に。

 コペンハーゲン観光は他の三国を周ってから、コペンハーゲンカードという地域内の公共交通機関乗り放題と多くの観光スポット・美術館への入場無料もしくは割引機能がついているカードを買ってする予定だったから、コペン二日目は宿から徒歩圏内にあるコペンハーゲンカードの使えない施設を周る事にした。

 翌日の為に銀行でスウェーデンクローナに両替してから、国立博物館へ行ってみようと思いつく。入場無料なんだよね。

 途中で英語で女の子に話しかけられた。サウジアラビア在住の韓国人で二十五歳、独身だそう。博物館に行くなら一緒に行こうと誘われたのでOKした。

 けど、着いてみたら休館。そういえば月曜日だった。ボケてたなぁ。

 連れになった女の子にチボリ公園(遊園地)へ行こうと言われる。あそこはコペンハーゲンカードで無料になるはずだから後日行きたかったんだけど、なんとなく断りづらくて承諾してしまった。私って押しに弱い。

 彼女は自分が写っている写真を撮るのが大好きで、やたらとシャッターを押さされた。「ハッピー、ハッピー」って言いながら、ポーズをとるんだけど、あんまり風景を見ている感じがしない。

 フィルムを節約したい私はホントはじっくり構図を決めてから風景だけの写真を撮りたかったんだけど、彼女が「ここで撮って、あそこで撮って」と駆け出すものだから、全然写真が撮れなかった。

 チボリに着くと入場券を買おうとした彼女が「あ、7クローネしかない。残り払っておいて」と言って私を窓口に突き出す。え? いくら足りないって? 28クローネ?

 両替してなかったのかな? 後で返してもらえるかな? とか思いながらもついお金を出してしまった。

 園内でも彼女は足早に移動して私に無料カメラマンをさせまくる。で、全然観光気分を味わえないうちにサッサと出口に向かっちゃうんだよ~。入園料払ったんだよ、もっとゆっくり見させてよ、と言えなかった自分が悲しい。

 「あなたのホテルへ連れて行って」と言われたので、同じ宿に泊まるつもりかな? と宿に向かう。 この時はユースホステルではなく、共同シャワーではあるけど個室の宿に泊まっていた。

 途中「疲れたから休もう」って言われたけど、彼女はデンマークのお金を持っていないはずだし、私は彼女のせいで既に一日分の予算をオーバーしてしまっている。

 そもそも、食事の大半はスーパーでパンや牛乳・トマトなど調理しなくて済む物を買って済ませる前提の旅なので休憩の為にカフェに入る余裕なんて、最初(はな)からない。

 店に入るのではなく、そこらへんに座って休もうと言ったら「この旅行にいくら持ってきたの?」という問い。金額を教えると、急に「See you tomorrow」と言って、連絡先も教えずに去っていっちゃったんだけど、どうやって会うつもり?

 薄々気づいてはいたけど、完全にカモにされていた。私の部屋に無料で泊まって、食事とか観光とか全部たかろうとしていたのに、意外と貧乏だと知って次の獲物を探しに行ったんだよね。

 英語もろくに話せない一人旅の女の子、海外に不慣れで心もとなさそうにしていたし、強引に振舞えば簡単に押し勝てると思われていたんだろう。実際彼女と行動していた時の私はそうだった。

 相手が男性だったら最初から警戒していたんだけど、同じアジア人の若い女の子っていうんで油断していた。

 それでも口頭で宿の名前を教えてはいたので、ひょっとしてひょっとしたら貸したお金を返しに来てもらえるかもしれない、なんて思って翌日予約してあったフェリーに間に合うギリギリの時刻まで宿で待っていた私がアホだったんでしょう。

 「バイバイ」じゃなく「See you tomorrow(明日会いましょう)」って言って去っていくとか、余計に恨めしい。 

1990年7月の出来事。

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