【恋人じゃない】霊媒師になろう【漫才】
少し小走りで舞台へ。
2人揃ってマイク前で1回転&決めポーズ!
「こんばんわ。公園でネタ合わせしていたら、ゲイバーからスカウトを受けました」
「恋人じゃないです」
「紳士淑女の皆様、私が野藻田でこのマッシュルームの男が木下。合言葉は……」
「「恋人じゃない」」
「やっていきましょう」
決めポーズをはずす。
「なぁ、もっくん、相談があるんだけどさ」
「何だよ相棒? 髭の剃り残しがあるぞ?」
「僕、頑張って霊媒師になりたいと思うんだけど、どうかな?」
「んん……見た目がそんな感じだからイケるんじゃね?」
「じゃあ、練習してみるから付き合ってくれよ!」
「OK! 任せな! 相棒!」
木下:マイク前から外れて一回転してマイク前に戻る。
「私、TKO法人の霊媒師です。木下です。どうぞ何卒お願いします」
「ハッハー! いきなり胡散臭い度高めの名前!」
2人で揃って指さすポーズ!
「最近、怪奇現象に悩まされているそうですね?」
「ええ、物が勝手に小刻みに動いて。地震かと思ったんですが、違うみたいで」
「なるほど。ポルターガイストのようですね」
「はい。地震じゃなかったみたいで」
「では、私が特殊な眼鏡で貴方の背後に纏わりつく霊をみてみましょう」
「え!? そんな事ができるんですか!?」
「ヌハッ!!! ハンドパワーメガネ!!!」
木下:腰を落とし両手の親指と人差し指でパッと輪っかを作って両目に当てる。
「ハッハー! 売れない芸人の1発芸!」
2人で揃って片手でお腹を押さえ片手で指さすポーズ!
「ダサすぎないか? せめてそこは百均で買った虫眼鏡とか出せよ?」
「どうやら私の霊視であなたの中に強い悪霊がいる事がわかりました」
「えぇ!? あのダサダサのポースで!?」
「はい。どうやら女性の霊ですね。ずっと貴方をつけていたようですね」
「そうなのか……」
「心あたりはありませんか?」
「ホストの仕事をしているものでして、心なし傷つけた事があるかも」
「どうやら最終的にあなたを殺してしまいたいと」
「えぇ!? どうやったら救われるのですか!?」
「私がこれから言う事のとおりにしたら救われますよ」
「お願いします! TKO法人の木下さん!」
「まずはこのお清めの塩」
「はい……」
「それからしっかりめのニンニク」
「なんかソレっぽい感じですね!」
「そしてとどめのフライパン!!」
「ハッハー! 炒めご飯のラインナップ!」
2人で揃ってフライパンで料理するポーズ!
「野藻田さん!! あなたに憑いている悪霊が悪霊達を呼び寄せてますよ!!」
「えぇ!? 助けてくれよ!? 何でもするから!?」
「まずは階段の1番上にベビーカーを置いて。それから階段の1段目を踏んだら落ちる仕掛けを」
「ハッハー! ホームアローンの攻撃法!」
2人で揃って、ホームアローンのマコレー・カルキンのあのポーズ!
「野藻田さん! 悪霊がいまからあなたを殺そうとしています!」
「えぇ!? あんなにしょうもない対策しただけで普通怒ったりするぅ!?」
「私が祓います! あなたの胸を借りますよ!」
「お願いします! でも胸を借りるって、そんな感じのダイレクトな意味でぇ!?」
「ヨー! シェキシェキ! ヨー! シェキシェキ!」
「ハッハー! ダサい部類のヒップホップ!」
2人で揃ってラッパーのよくする決めポーズ!
「ぐわっ! なんて悪意の強い霊だ!! 一旦私が引き受けます!!」
「えぇ!? そんなぁ!? 木下さんに凄ぇ申し訳ないですよ!!」
「私に霊がのり移ったら、私の家に行ってすべらない話の予約録画を!!」
「ハッハー! 安すぎる遺言!」
2人で揃って目を閉じてお陀仏のポーズ!
「死ぬかもしれないのに冗談が過ぎるでしょ!」
「死ぬ前に冗談ぐらい言いたいでしょ!」
「それに俺があなたの住所を知る筈ないでしょ!?」
「このマンションの3階端っこです!!!」
「ハッハー! 意外とご近所!」
2人で揃って笑顔で肩を組み、片手でグッドのポーズ!
「ぬわぁ! あああぁぁぁ……」
「木下さん!? 木下さん!?」
「ふふふっ……乗り移ったのだからね♡」
「わぁ……俺についていた悪霊が木下さんに……」
「うわぁ……何このキノコヘアのフォルム。チョベリバ恥ずかしいっ!」
木下:両手で顔を隠す仕草。
「ハッハー! 性格が俺のタイプ!」
2人で揃って両手で胸にハートをつくるポーズ!
「でも人に乗り移ったからにはやる事は1つ! お前を殺す事だけだ!」
「うわぁぁああぁぁぁあああ!」
野藻田:少し走って逃げる。
「キャッ!?」
木下:少し走って派手に転ぶ。
「ハッハー! コレも俺のタイプ!」
2人で揃って両手で胸にハートをつくるポーズ!
「何だ? 全然恐い感じがない? むしろ仲良くしたい気がしてきたぞ?」
「貴方ね……馬鹿にしなさんな……私はこれでも地方局の女子アナよ!!!」
「ハッハー! もう付き合いたい!」
2人で揃って頭のうえに大きなハートをつくるポーズに大きくジャンプ!
「うぐ!! 元の身体の主が抵抗を!?」
「えぇ!? 俺はどっちを応援したらイイの!?」
「ぐっ……う……はぁ……はぁ……何とか成仏して貰いました」
「木下さんですか?」
「はい。どうやらTV局で不倫の末に捨てられた愛人の霊だったみたいで」
「えっ……全然心あたりないですよ?」
「その時の不倫相手にされていた年配の男性上司が貴方そっくりだったようです」
「遠まわしに老けてるって言われているなぁ」
「ぶっちゃけお金の為に交際していて、捨てられて贅沢な事ができなくなったと」
「遠まわしにパンチ入れてくるなぁ。いいよ。もう」
「あ、私の家に戻ってすべらない話を予約録画してくれましたか?」
「ハッハー! しょうもなさすぎる執着!」
2人で揃って頭を抱えるポーズ!
「なぁもっくん、僕に霊媒師はできそうかな?」
「うん……無理だな……相棒」
「どうしてもダメかなぁ?」
「コメディ映画の監督ならできるかもなぁ」
「だったら漫才師を目指すよ」
「ハッハー! いや、俺達が今やっているのが漫才!」
2人で揃って満面の笑み! そして腕を組むポーズ!
「「ありがとうございましたー!」」
2人で揃って何回もお客に礼。
∀・)「漫才王になろうGP」のエキシビジョンで漫才を書いてみました。書いてみて思ったのですが、書きすぎたかなと思っても3000字以内で収まるものですね(笑)ちぇんそーまんずよりかはこっちの方が楽しんで書けたかもです(笑)このコンビは拙作の新作「恋人じゃない結成」と「歌ウ蟲ケラ」に登場をします。ちゃんそーまんず同様に具体的なモデルがあるんですけど、未成年のみんなや女性の皆さんは検索をお控えください(笑)いでっちでした☆☆☆彡