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ノンフィクション平凡伝記☆うよたん☆外伝 〜ネット民☆殺人事件〜  作者: うよたん☆ワールド☆モリブデン
第一章 キーワード
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オニク!

名乗る名前ひとつで、掴む運命が変わる世界だよね。

「どうしよう。君のことを知らないから、どの名前を教えていいかわからないな。」

 それもそうだ。だが、俺も俺自身の何を教えていいか検討がつかない。


「一番メインで使われている名前もしくは、いったん匿名用とかはどうでしょうか。」

「そうだね。でもなんとなく、メインでも匿名用でもないけど、呼びやすい名前でいい?」

 わかる。メインと匿名用の名前が、呼びにくい名前のパターンってあるよな。


「もちろん。俺もその考えに乗ろうと思ったくらいです。」

「じゃあ、こんなところで立ち話もなんだから、こっちで話してもいい?」


 渤海(ぼっかい)に囲まれた孤島。正に仙人がいそうな形状の山。金銀の宮殿や、これでもかというほどの縁起の良いオブジェクト。神秘的な自然の中に、鍛錬の場の厳粛さ、楽園ような快適さがある。

 ここにはまだ、この男と俺しかいない。集合時間までまだあるにしろ、おかしい気がする。


「それにしても、蓬莱山、今日は何だか随分過疎ってますね。」

「そうかな。別に気にならないけど。時間帯によって、こんなものじゃないかな。」

 こんな世間話をしながら、俺は呼びやすい名前を探して、今朝見た名前を名乗ることに決めた。


「いきました?」

 すぐに男が話しかけてきた。提案するだけあって、呼びやすい名前の準備がいい。

「確認します。」


 スマホに通知が来ていた。

 [オニク]:はじめまして!よろしく!たんじぇんと☆よう

 オニク!!俺は、この男の名乗った名前で、メインの名前がわかった。


 [たんじぇんと☆よう]:ああああ!!しっている!!ふつうにしっている〜☆

 見覚えがあるのも当然だ。ビジョンが浮かぶのも当然だ。俺はこの男のメインの名前をよく知っている。


 そしてオニクと俺は、スマホでやり取りを始めた。


 この日の、二人きりのバーチャル神山【蓬莱山】は、季節限定のおもちのグラフィックが景色を華やかに飾っていた。

季節イベントアイテムの記憶に刻まれようは、人類にとってエグいときがあるというのに。

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