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2-7 眠りにつく
としゃべり、すんぶなげく岩の上さねまったまま、雨の景色ば眺でらばって、雨はことげに強ぐなり、なんもしまいそうにねはんで、
「こりゃ、なも、しゃっこすぎで寒っつれえ。」どしゃべっで立ぢ上り、でっけえくしゃみば一づすて、そがら拾い集めだ柴ばしょい、こそらど林の中さはってぐ。林の中は、雨宿りの鳥獣でこんじゃあ。
「わんかよけで。わんつかな」
と爺っちゃは、猿や兎や山鳩さ、いぢいぢ上機嫌でこまって林の奥さあさぎ、山桜の大木の根もどが広い虚になっちゃあとこさ潜り込んで、
「やあ、こぃはい座敷だ。どだべ、おめらも、」ど兎だぢさ呼ばり、
「この座敷さは偉え婆っちゃも聖人もねはんで、どうが、遠慮ねぐ、やってけれ。」などど、ひでくはしゃいで、そのうぢに、すうすう小っちぇえ鼾ばがいで寝でまっだ。酒飲みどは酔っでごだぐしゃべるばって、だばって、いっかだ、こう罪の無えもんだ。
ユウダチ ヤムノバ マッテラド
ツカレガ デテラ ジッチャガロ
イツカ グッスリ ネムルンズ
オヤマハ ハレテ クモモネグ
アカレエ ツキヨサ ナッタンズ