2-2 反応してよ
などど、負げ惜すみさ似だんた自問自答ばすて、さで、その父っちゃなるおかしけだ人は、
ムカス ムカスノオ話ヨ
と壕の片隅さ於いで、絵本ば読みながら、その絵本の物語どずんぶ違え新すい物語ば胸中さ描ぎ出す。)
この爺っちゃは、お酒ば、たげ好ぎでろ。飲みたがれどいうのは、その家庭さ於いで、いっかだ孤独なもんだ。孤独だとこで酒ば飲むのが、酒ば飲むはんで家の者だぢさぎらわれで自然に孤独の形さなるのが、それはおそらぐ、両の掌ばぽんと撃ぢ合せでいづれの掌鳴ったがば決定すべどすんた、キザな穿鑿で終るばすの事だべさ。
とにけぐ、この爺っちゃは、家庭さ在っでは、むったど浮がばねえ顔ばすてらんだ。としゃべってもれ、この爺っちゃの家庭は、別にいぐねえ家庭で無えんだ。婆っちゃはしっかどしちゃあ。まんず七十歳ぢげえばって、この婆っちゃは、腰もまげれねえで、眼許も涼すい。昔は、ながながの美人だったんた。若え時がらむっつどすで、ただ、みっつど家事をしちゃあ。
「もう、春だ。桜っこ咲いだ。」ど爺っちゃがばやめかすても、
「んだが。」ど興の無えんた返辞ばすて、「わんか、どいでけろ。こごば、お掃除すはんで。」どしゃべる。
爺っちゃは浮がばね顔さなる。