第十六話 ボス戦
今日はとうとう最下層、80階の攻略だ。
この階段を下ると、ボスとなる魔物がいる。
「緊張するわね...」
「まあ、油断しなきゃ何とかなるっしょ」
『それを油断って言うのよ』
こんな感じの会話を交わしつつ...
階段を下りた。
そこにいたのは...
「GUOOOOOOOOOOOOOOO-----!!!!!!!」
黒龍だった。
黒龍は、龍種の中でも最上級の存在で、地竜や赤竜とは格が違う...らしい。
今回ばかりは、全力で行くか。
「神級魔法...神罰!」
「ちょっとトシキ!神級魔法!?なんでそんなの使えるの?って言うか最初っから飛ばし過ぎじゃない!?」
そうか?まあこれでワンパンできたならそれでいいだろ。
そんな風に思っていたのだが...
「GURURURU」
まだ生きているようだ。
じゃあ止め、行っちゃいますか。
俺はディアを構え、黒龍に向かって駆け出す。
「終わりだぁ!神斬!」
俺が使える最大火力の剣技を発動する。
すると、黒龍の首と胴が切り離された。
マジか、これ行けるんだな。
赤竜で硬いとか言ってたのに剣技使えば問題ないらしい。
神罰を最初に入れたのも効果があったのかな?
「ちょっとトシキ、私なんもしてないんだけど...」
「悪いな、ついやっちゃった」
強そうなやつを見ると倒したくなるんだよ。
あれ?...俺、もしかして戦闘狂?
いや、レベルアップのためか。
うん、きっとそうだ。
こんな風に自己完結していると...
ボンッ!
「え?」
地面に階段が現れた。
あれ?ここ最下層じゃないの?
まあ、降りてみるか。
階段を下ると、そこには...
「でっかすぎだろ」
めっちゃでかい龍がいた。
その体は白く、神々しいといった印象だ。
これは強そうだな。
さっきの黒龍と比べても段違いだ。
「まさか此処まで来る者がいるとはのう」
「龍が喋った...だと?」
そう、その龍が喋ったのだ。
まあ、剣に意思が宿るくらいだし生物が喋るくらいなんらおかしくないか。
...あれ?なんか俺異世界脳になってきてないか?
「まあよい、自己紹介でもするかの。儂は神龍をやっておる。個体名はない。ここのダンジョンマスター、とでも言っておくか。そうじゃ、お主たちにこれをやるかの」
神龍兼ダンマスがそう言うと、俺達の手の上に1枚の紙が現れた。
そこには...
ダンジョン攻略ノ証
コノ者、トシキ・ミカヅキノダンジョン攻略ヲ証明スル
これ、他の人に見せても信用されなそうなんだが。
なんか工夫でもあるのかな?
まあ、信じてもらえることを祈るか。
「此処に転移陣がある。これで帰るとよい」
そう言うと、神龍の近くに魔法陣が現れた。
俺の転移で帰ってもいいんだが、まあここは魔法陣で帰るとするか。
俺達は転移陣の上に乗った。
「じゃあな、神龍」
「何かあったらまた来るとよいぞ」
神龍がそう言うと、目の前の景色が真っ暗になり、その次の瞬間にはダンジョンの近くにいた。
神龍が人に見つからなさそうなところに転移させてくれたので、騒ぎにはならなかった。
「そういえば、ステータスどうなったかな」
「大量の魔物とか黒龍とか倒したからレベルすごい上がってそうね...」
名前:三日月 俊樹
種族:おそらく人間族
年齢:18歳
レベル:294
体力:1286349
物理攻撃力:1286349
物理防御力:1286349
魔力:12863490
魔法攻撃力:1286349
魔法防御力:1286349
速さ:1286349
魔法適正:火 水 風 土 光 闇 特殊
スキル:言語理解S 取得経験値上昇S レベルアップ時増加ステータス補正S
スキル習得率上昇S スキル成長率上昇S 鑑定S 隠蔽S 道具技能S 体術S 魔力制御S レベル限界突破 アイテムボックスB 死体能力吸収 逆境強化A 剣技A ブレスS 咆哮A 消費魔力減少B 転移 食事吸収A 表皮硬化B 龍化 透明化 飛行A 分身A 魔法吸収S 反射S 威圧A 魔眼A
おい、ちょっと待て。
おそらく人間族ってなんだよ。
まあでも、これはすごいな。
ステータスが大変なことになってる。
魔力一千万ってやばすぎだろ。
消費魔力減少もあるし、魔力が尽きる気がしないんだが。
あと、龍化がものすごく気になる。
どんな龍になれるんだろうか。
それとも腕とか一部だけ龍になれるのか?
龍の状態で表皮硬化とか使ったらめっちゃ硬そう。
まあ、龍化の検証はあとにしよう。
「ギルドに素材を買取ってもらいに行こうぜ」
「そうね。ついでにギルマスに攻略報告もしなきゃ」
そう言って、俺達はギルドに向かって歩を進めるのであった。