1a 「魔女達」
物語的にはこっちから読んでいただけると助かるんだけどなぁ..
あ、ドウモ。ゆっくり読んでいってくださいねー
「なんだよこのクソゲー...もう一回やろ。」
明かりをつけていない小さな部屋。そのにはテレビと机とパソコン、ベッド、そして無造作にゲーム機が何台も置かれている。
私は刃巳渦 雷那超普通の引きこもりゲーマーである。
今は16歳で、中学校の頃は金髪で変な名前という理由でいじめられたりしていた。
正直学校とかもう勉強高3の最後まで知ってるからやらんくてもいいと思うし
お金とかもゲームの大会で手に入るから全然困らない。
さて..おなかすいたし適当に買いに行かないと何日も飯抜きで徹夜してたから死ぬ..
と思い椅子から起き上がる瞬間..
―私は死んだ。意識が抜け何が起こったのかわからなかったが。どこか遠い所へ私の体は飛んで行った。
「あなたは死にました。」
お母さん..?なわけないか。というかそんなこと知ってるわ。
「あなたは..説明不要、案内をつけて...飛ばします。」
ナニイッテルンダコイツ。飛ばすってなにを..もしかして異世界に?!
「ふぇ?」
暗闇、ここどこ?と考えていたら目の前に文字が出てきた。
種族 人間・魔女・獣人
「お、キャラクター設定ってやつかな?だったら予想的中で異世界召喚かな?..まぁやっぱり魔女一択っしょ。」
本当によろしいですね? はい・いいえ
「はい。」
好きな得意魔法を選んでください
という文字が浮かんだ..その後すぐにとんでもない数の単語が浮かんだ。
火炎、流水、猛毒、みたいな感じで..その中に一つ..ぼやけたものがあった。
「これは..何..?」
それに触れようとした瞬間に..パッと名前が変わった..炎雷..かっこいいしこれでいいや!
「じゃあこれで」
了解しました、これより転送を開始します。
その感覚は言葉に現わしにくいが..今までおかしかったのかわからないが体の疲れが一気にとれたような..
ドサッ
「いてえよ!もうちょっと大切に扱って?」
「さてっと..私あんま外でないからこういう森に放されるとさぁ..ねぇ?」
周りを見渡しても木しか見えない..耳を澄ましても鳥の鳴き声やら風の音しか聞こえん。
「おいおいなんで神様こんなとこに私を転送させたの?せめて町の一角とかで..まぁ異世界来させてもらっただけいいか..」
鬱蒼とした森の中で呟く私。
とりあえず泊まれる場所とこの世界のことを教えてくれる人とか探さないといかんな。
「はぁー足疲れたけど座ろうと思っても座る場所ないし虫死ぬほどいるし..ってい!」
ストレスが溜まっていたので石を思いっきり投げる..それは草むらの中に着地して..
―爆発した。
「え?え?え?え?燃えてるよ?!大丈夫なんこれ?..まぁ私がやったんだけど。」
草が燃えているし今にも木に燃え移りそうだ..しかも運悪くその先は平原がありその向こうに町が見える。
「それが魔女の力だよ。嬢ちゃん。」
後ろから声がかけられる振り返り声の主を見てみると。赤髪のロングに赤い目と白いシャツに普通のジーンズ、そしてたばこ。
なんか異世界人と現代社会の人混ぜたらこうなったみたいな感じだな。でもなんか不良感がいい感じにでててかっこいい。
「魔女さん、名前は?」
この人の目怖えな..しかも右腕にタトゥーみたいなのあるし。
「ええっと..」
やべえこの人のことしか考えてなかった..どうしよ。
「ああ、人に名をたずねる時は自分からだったな。私はアカツキ・シオン・シェイラだよろしく。」
アカツキ..?日本人のハーフかな?でも違うよなぁ..よし、私のゲーム内の名前でいいよね。
「私はライナ・シャル・アルテミス、よろしくです。」
と言い終わるとアカツキさんは驚きの表情。なぜだろう、普通に名前を言っただけなんだが。
「おいおい魔名まで言っちゃって大丈夫なのか?」
なんだそれ。まぁでもゲーム知識として魔ってつくやつだいたいやばいって師匠から教わっ..というかどこにいるのかとかも聞きたいし記憶喪失ってことにしておくか。
「すいません..私記憶喪失で、名前だけわかってる状況で..」
「おっと、そうか。立ち話もなんだし私の家で話そう。すぐそこなんだ。」
と言ってアカツキさんは私に手を置く。すると私は焚火と木を切り倒して作った椅子と申し訳程度の屋根のついた建造物がある場所に瞬間移動する。どうも家とは思えない場所だが..
「この能力についても今からする話の中で話そう。」
指パッチンするだけで焚火に火をつけるアカツキさん。
「この国は昔から伝わる話が合ってさ。その本を持ってるんだけどとりあえず読んでくれ。」
どこからともなく現れた本を私は手渡される。
「ええっと、何々?」
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昔々ある国での出来事です。ある少女が魔法のランプに三つのお願いをしました。
一つ目は、お母さんの病気を治してくれる魔法が欲しい。
二つ目は、なんでもできる力が欲しい。
三つ目は、永遠に生きれるようにしてほしい。
と願いました。そしてその願いは叶えられ。その少女の病気は治りました。
それから何十年もたちました。家族は死にました。成長した私は結婚しました。3人の子供が生まれ、成長し、旅立ちました。
また数十年後に、自分の結婚相手は死にました。自分は後悔しました、永遠に生きるなんてこと願わなければよかったと。
それからこの"魔女"はどこかに隠れ住んでいます。さて、ここからは子供たちの話です。
魔女達はすてきな魔法で国中の困っている人々を助けました。ですが国が戦争を始めました。それに怒った魔女たちは自分の魔法の力の強大さを抑えられずに国を滅ぼしてしまいました。
魔女達は反省し。国民や建物をよみがえらせ、逆に壊れる前よりきれいになって帰ってきました。
魔女達は人間たちに力を与えました。それが"刻印"これを持った一部の人が超能力を持つことができるのです。
その刻印の力で人間は魔女達を殺そうとしました。もう二度とこのようなことが怒らないように..
魔女達は悲しみどこかへ去っていきました。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ほへーそんなことが。」
「ちなみにあまり危機感を感じていないようだが魔女っていうのは見つかったら処刑されちゃうからな?」
「え」
さすがにこれにはライナちゃんも苦笑い。
「でな。名前の真ん中に私の場合シオンだがその部分を魔名と言ってな。その部分を知られているものは呪いにかけられることが多いからあんま他人に言わないほうがいいぞ。」
なるほど、だから最初にあったときに注意してくれたんだ。それにしてもこの世界の人って名前・魔名・苗字みたいな感じで名前決まってるのかな..
「ちなみに私の刻印は"全知の刻印"というものでな..私も国の奴らに見つかったら結構やばい立場なのだよ。」
多分全知というくらいだからさっきまでやっていた魔法の方法もその能力で知ったのだろう。確かに国の陰謀とか普通にばれちゃうから狙われそう。
「この国には君みたいな魔女が19人いるんだ。このリストに全員の名前がのってる。」
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無知の魔女 スター・セカンド・クワイレス
斬鋼の魔女 ゼノ・フィクト・ソルバルド
雪原の魔女 グレイ・プレイスタ・クワイレス
激流の魔女 スノウ・プレイスタ・クワイレス
夢幻の魔女 レッド・スブルク・ファントム
狂幻の魔女 グリーン・スブルク・ファントム
動止の魔女 リンデ・ハル・ストッパー
絶風の魔女 ウインド・ニルテ・シンゾリス
移境の魔女 グランド・ティア・ソイズミス
力操の魔女 ルナ・クリューゲル・アルミナシィ
千刃の魔女 ブルー・オーメルド・ミルハッド
氷震の魔女 アイス・ロンド・シックス
守護の魔女 ???
黄昏の魔女 トワイライト・エイト・クロウ
宵闇の魔女 ブラック・スカー・ライト
光喰の魔女 ホワイト・ファング・イーター
夜霧の魔女 サンダー・スカーレット・エンペル
原点の魔女 ファイアロル・フランシス・ラコロンド
禁忌の魔女 ファミス・ギルティ・クライシス
――――――――――――――――――――――――――――――
死ぬほど厨二病のやつが喜びそうなリストだな。一通り読み終わった後、私はさっきの本とリストをアカツキさんに返す。
「君は20人目だよ。だが..記憶喪失というケースは初めてだ。まぁ深く詮索はしないが。」
「それを言葉にしたっていうことは能力で分からなかったということですね。」
あれ?この言葉いらなかったかな。まぁでもどや顔で思ってること言うのが癖だからしょうがない。
「あ..ああ、そうだ。あとあったばかりでなんだが..ライナ、結構なお願いしていいか?」
「いいですよ。」
アカツキさんが真剣な顔つきになるだけで雰囲気も変わる。なんというかオーラがすごい人だ。
「私の仕事を..手伝ってくれないか?」
どんな仕事なのか教えてもらわんとわかんないんだが。もしかしてブラック?
「なぁに心配しなくていい。悪い奴をぼこぼこにするだけだ。」
やくざかよ..まぁでもやることねえし面白そうだしいいや。
「まぁいいっすよ。」
と軽く承知する私だが結構やばいことにかかわってるんじゃないかとか後々思うことになるんだよね。
「一通り話し終えたが..さっそく仕事手伝ってもらってもいいか?」
お!私って戦う系のヒロインなのかな?だったら回復技とか覚えてそうだけど。
と思っていた時期が私にもありました!
いざアカツキさんについて行ってみるとそこには恐ろしい顔をした獣の群れがいるのを確認。
「とりあえず見ててみ。」
と言ってアカツキさんは超威嚇してる獣たちに歩いて近づくと群れのうちの二匹がとびかかってくる。
とびかかってくる獣を動揺もせずぶん殴る。
「とんだ反射神経だよ..」
はやい速度でとびかかってくる獣の顔面をすまし顔で殴るなんて技できねえよ何がとりあえず見ててみだよ!
さっきまで威嚇していた獣たちも一転して森の中に逃げた。
「逃げたぞ!お前の番だ!とりあえず森の中にぶちかませ!」
アカツキさんは場所を正確に表すためにおそらく何も書いていないノートを投げる。
正面よりちょっと左だ..とりあえず頷いて森の中で爆発を起こす想像をする。
「練習もせずに実戦で使ったこのないもの使うとかアホだと思うけどとりあえず!爆ぜろぉぉ!」
決め台詞になっていない決め台詞を言いつつ手を構えて力をため一気に開放する。
ボコォーン
なんか妙にリアルな爆発が起こったあとに炎の渦ができる。
これはアカツキさんも不安そうな目でこっちを見る。
「さっきやったときは燃え移らなかったから大丈夫..なはず。」
「とりあえず気配はしなくなったけど..これが魔女の力か..」
思わずガッツポーズをとる私を見て笑うアカツキさん。
それからは寝袋に虫が入ったこと以外目立ったことはなく一日が終わった。
「20人目の魔女が始動しました。全知と一緒にいるようです。」
そこはとある城の中。秘密の会話。
「厄介だな..よし!すぐに全魔女の捜索を開始しろ!」
「わかりました。」
と言ってそいつは部屋から出る。
「知られてはいけないのだ..四魔女達、黄昏と光喰と宵闇、そして夜霧が動き出したことを。」
次は2bを書かなくては..あ、ドウモ 読み終わったんですね!ありがとうございます。良ければ次回も読んでくださいー。