097(諦めませんからね)
俺は執務室から出ると、ミカが待ち構えていた。
「圭市先輩、特殊能力があるんですか?」
「流石は総理大臣、人格者だね。勘も良い」
俺は玄関に向かって歩き出した時に、ミカに腕を掴まれる。
「はぐらかさないでください。ダイヤモンドの涙を流せるんですか?」
「そんなことが出来たら、売って大金持ちになってるよ」
俺は掴まれた腕を振りほどき、歩き出す。
「諦めませんからね!」
俺は小暮宅を出ると、黒い日産プレジデントが停まってた。セキュリティポリスも数人集まってる。
俺はGTRに乗り、バッグを助手席に置き、シートベルトをして発進させる。
ミカは、俺とメグのキス事件を引き合いに出さなかった。総理大臣の娘は卑怯な手を使わないか。それとも、忘れてるだけかな。
俺は明暗寺に帰ると、もう薄暗い。駐車場にGTRを停める。バッグを肩に掛けて、境内に入ると、ニンニクの良い香りが漂ってる。ペペロンチーノ!
俺は部屋に行き、バッグとジャケットをベッドに脱ぎ捨てる。そして、リビングへ行く。
伯母さんと和事兄ちゃんが居た。
「あれ、伯父さんは?」
「遠藤の件でまだ揉めてるよ」
「いつ終わるか判らないから、先に食べちゃいましょ」
テーブルにはスパゲッティ! ペペロンチーノ!
和事兄ちゃんは冷蔵庫から缶ビールを2本持ってきた。
「圭市、これは俺からだ」
「ありがとー」
俺と和事兄ちゃんは缶ビールをプシュッと開けて乾杯する。
「ささ、2人とも、食べて食べて」
「頂きま〜す」
俺はニンニクたっぷりペペロンチーノを箸でずるずると食べて、ビールで流し込む。
「美味い!」
「良かった」
「圭市。遠藤の件だけどさ。本当に遠藤家と力は血縁関係ないのか?」
「ウィステリアグループ会長、遠藤力三郎さんが言うにはね。警察も知ってたし」
「どうしたらいいんだ」
「和事兄ちゃんが伝えるべきだよ」
「やっぱり、俺か」
「頼んだよ」
俺はペペロンチーノを平らげて、グラスを1つ持ち、部屋に戻る。
さて、ミキの家を偵察しに行くか。
テーブルにグラス置いて、コーラとウイスキーを1対1の割合で混ぜる。手作りハイボールもオツなものだな。




