095(KONE)
「それはお嬢さんの願望です。小暮総理大臣」
「松本圭市君、だったかな。ディジスプを知ってるようだね」
「ワードだけですけど」
「ディジスプは私の力ではどうにもならない」
「総理大臣でも手が出せない?」
「話は第二次世界大戦まで遡る。旧日本軍はESP、霊能力部隊の設立を急いでいた。しかし、間に合わず、戦争に負けた。それにより、霊能力部隊の登録抹消を進めた。進駐軍に情報を渡さないため、東條英機がどうしても渡したくなかったものだ」
「ディジスプのアジトはどこですか?」
「それは言えない」
「飲んでます?」
「ハッハッハ、シラフだよ。精神鑑定も受けている」
「なぜ、言えないんですか? 俺の母親の失踪に関与してるかもしれません」
「失踪? 君の母上の名前は?」
「松本佳子です」
「そうか、そういうことか」
「何か判りました?」
「君は特別な能力を持ってないか? 例えば、ダイヤモンドの涙を流すとか」
ドキッとしたが、ダイヤモンドの涙? そんな能力者もいるのか。
「特別な能力があれば、有効活用してますよ」
「人違いかもしれないが…………まあ、いいだろう。能力に目覚めたら、また、私を訪ねて来なさい」
どうする? 総理大臣を味方に着ければ、怖いものなしだ。しかし、ミカも同席している。秘密は少人数で共有したい。
「ミカ、悪いが席を外してくれないか」
「パパ……分かりました」
ミカは退室した。小暮総理に見透かされてるようだ。この際だから言ってしまおう。後は野となれ山となれだ。
「話せるかね?」
「はい。実を言うと眠ってる間に幽体離脱して、触れた人の心身を乗っ取る事が出来ます」
「5年前の事件は君がやったのかね?」
「俺ではありません。昨日初めて出来るようになりました。5年前の事件はおそらく、複数犯です」
「君と同じ、似たような能力者が他に複数居るのか。プロトタイプのコードネームは“KONE”だ」
「ケーオーエヌイーですか」
「どういう意味かは解らない。ディジスプは海外にも拠点を構えている。我々政府としては、内々に処理したい。東南アジアとオセアニアの間にブルバルという小さな国がある」
「ブルバル……公用語が英語と日本語の国ですよね。そこにディジスプのアジトが?」
「そうだ。鎖国をしていてビザはなかなか降りないが、幽体で偵察に行くことは出来るだろう」




