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087(初仕事)

 ピピピ。俺のウェアラブル端末にメールだ。同時に2件。十条警部補とスィフルか。


「弥生さん、初仕事が入ったかも。いや、母さんの有力情報かな」

「そのマインド・ポゼッションがあれば、おばさんを探すのにアドバンテージにならない?」

「いいねえ。幽体で全国を飛び回れる」


 俺はウェアラブル端末で十条警部補のメールを読む。


【圭市君、おはよう。5年前の犯人が動き出したよ】


 まさか、遠藤を操ったことか? 俺はすぐに返信する。


【おはようございます。誰か殺されました?】

【いや、殺人ではないが、遠藤力がまた操られたって。タクシーに無賃乗車して、記憶がないの一点張りだ。後で警察署まで来てくれ。ついに探偵事務所を立ち上げたんでしょ? 初仕事だよ】

【分かりました。顔を出しますね】


 次はスィフルだ。


【松本圭市様、依頼が来ました。ウィステリアグループ会長の遠藤力三郎様から孫の遠藤力様を助けてほしいとのことです】

【会長の住所は? 飯松アベニューの一等地のペントハウスです】


「弥生さん、仕事だ。警察と会長から遠藤を操ったことで。弥生さんはこれからどうする?」

「勿論、圭市君に着いていくわ」

「いばらの道かもよ?」

「それでもいい。探偵事務所はバンドワゴンよ。飯松ウィステリア工業に退職届を出してくる」

「覚悟は出来てるか」


 弥生さんは帰って行った。


 俺は一度部屋に戻り、アルマーニエクスチェンジのジャケットを着て、ディーゼルのバッグを肩に掛ける。

 まずは会長の家からだな。


 俺はGTRを運転して飯松アベニューのタワーマンションへ行く。ペントハウスだから最上階だな。


 俺はGTRを近くのコンビニの駐車場に停めて、タワーマンションのエントランスへ行く。姉ちゃんコンシェルジュが居た。


「ちょっといいか」

「はい。なんでしょう?」

「松本圭市という者だ。遠藤力三郎会長に会いたい。依頼を受けて来た」

「探偵の方ですね。ご案内します」


 コンシェルジュはオートロックのドアを開けて、俺はエレベーターホールまで案内される。


「遠藤様のペントハウスは40階です」

「分かった。案内ありがと」


 俺は40階のボタンを押す。グゥ〜っとエレベーターが上がる。

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