076(ローストビーフ)
次の日の朝、俺は目が覚めると、外が明るい。ツインベッドの窓側から落ちそうになってた。時計を見ると10時。ようやく、時差ボケが治ってきたのに、今日の便で日本に帰らなきゃ行けない。下平は出掛けたか。
俺は起きて、キャリーケースから着替えを出し、シャワールームへ行く。
アメニティのシャンプーボトルはピラミッドやスフィンクスの形をしてたり、観光客ウケ間違いなし。
俺はシャワーを終えて、タオルで髪の毛を拭く。ドライヤーはあったが、ここは砂漠の真ん中だ。空気が乾いてる。自然乾燥でいいだろう。
――俺のウェアラブル端末にメールが来る。慰安旅行に参加してる社員一斉のヤツだ。
【昼食後、14時までにMGMグランドのショー劇場に集まって下さい。チケットは今からルクソールのエントランスで配ります】
俺はフルバーニアンの装備で、エントランスへ行く。日本人の人だかりが出来てた。渡辺さんがチケット係りか。
「渡辺さん、おはようございます」
「カミカゼ圭市、心配掛けやがって。アルマーニか、良いジャケットだな。バッグはディーゼルか」
「一目惚れで、ちょっと奮発して買いました」
「圭市は弥生ちゃんの隣でいいだろ?」
「ええ、お願いします。それともう1つ」
「可能な限り頑張るよ」
「下平とライコネンを隣に出来ますか?」
「おお、2人をくっ付けるんだな? 任せてくれ」
「ありがとうございます」
俺はサーカスショーのチケットを渡される。
「チケットはなくすなよ」
「はい」
俺はチケットをバッグに入れて、チャックを閉めた。そして、ルクソールのビュッフェで腹ごしらえをする。
ローストビーフばかりトレイに取り、テーブルに着き、かっ食らう。美味い。やっぱり、肉は血の滴るレアだな。




