049(5年後)
クズは十条警部補達に連行された。
俺は部屋に帰り、ウォーライフをプレーする。清々したのか簡単にゾーン、フローに入り、夜の0時まで休憩なしで戦った。今日の戦績は2500キル200ダイ。ちょっと精細を欠いたな。
――それから5年の歳月が過ぎた。俺のウォーライフの戦績は100万キル7万ダイとなった。会社との契約履行は確実に。
遠藤のバカは俺に邪魔を何度もしてきた、パワハラだ。弥生さんはセクハラを受けていて、その都度、今井工場長と遠藤力蔵社長に報告していたが、揉み消された。
殺人事件は未解決のまま、似た手口の犯罪も起きなかった。事件は風化した、というか今はなかったかのように飯松ウィステリア工業はイケイケ状態だ。
遠藤力蔵社長は俺の提案を受け入れてくれて、慰安旅行はラスベガスとなった。参加者は120人、成績の良い者だけ。弥生さん、下平、渡辺さんも行くようだ。
母さんが失踪してから15年。俺は諦めてない。担当してくれている十条警部補は定年まで後、2年。時間がない。
和事兄ちゃんも修行から帰ってきて前と変わらない生活スタイルに戻った。
伯父さんと伯母さん、和事兄ちゃんには慰安旅行で1週間留守にすると伝えといた。
俺は息抜きにサーキットや峠でドリフトしていた。
――俺と弥生さんは丘で夜景を眺める。
「あっという間に5年経ったね」
「そうだね。プロ契約の更新は保留にしといた」
「辞め時が解らなくなるね」
「弥生さん、5年前のこと覚えてる? アンダードッグとバンドワゴン」
「私は今でも、気は変わってないよ」
俺はそっと弥生さんの唇を奪う。俺の気持ちはラブだ。そっと離れると弥生さんは顔を赤くしている。
芯の強い人。可愛らしいギャップ。守らなきゃな。
「明日から5泊7日の弾丸ツアーだ。楽しみだな〜」
「圭市君、ギャンブルに狂っちゃダメだからね。そうそう、この前買ったナンバーズ3ってヤツ」
「当たった?」
「ボックスだけどね」
「凄いよ、弥生さん。いくらになったの?」
「48000円だよ」
「それをUSドルに両替しなよ」
「うん。お土産たくさん買わないと」
「明日の朝に飯松空港からチャーター機が立つから、タクシーは相乗りで行こう。俺が手配しとくよ」
「分かった」
「じゃあ帰ろうか」




