表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/169

003(レギュラーメンバー)

 笹隼伯父さんのお経が終わったようだ。


「圭市君、卒業おめでとう」

「ありがとう、伯父さん。今まで育ててくれて」

「何を言ってるんだい。圭市君は自分の力で…………」


 笹隼伯父さんは涙ぐんでる。色々な思いがこみ上げて来たのだろう。


「さっさと母さんを探さないとね」

佳子(よしこ)叔母さん、早く見付かるといいな」

「和事兄ちゃんもありがと。絶対に見付けるよ」

「あれから10年になるか。佳子さんは無事だと信じているよ」


 ピピピ。俺の腕時計型ウェアラブル端末にメールが入った。確認すると、良太兄ちゃんからだ。


【よっ、圭市。シティで車の運転免許を取ったんだろ? 前から欲しがってた、スカイラインGTRを積車で明暗寺に送ったから。大切に乗れよ】


 俺はドキドキしながら、すぐに返信する。


【マジかよ! 冗談じゃないよね!? ホントにBNR32くれるの?】


 すぐに良太兄ちゃんから返信が来た。


【圭市は昔からモータースポーツが好きだったからな。東京じゃ車は必要ないし。元々事故車だし。やるよ】

【ありがとう! 俺好みにイジってサーキットに行くよ】


 俺はこの上ない喜びとドキドキ感に浸ってる。ショシマのGTRなんて粋だな。楽しみだぜ!


「圭市、何ニヤニヤしてるんだ?」

「車が届く。良太兄ちゃんがGTRをプレゼントしてくれたよ」

「最初は軽自動車にしとけ。事故を起こしてからじゃ、つまらんぞ」

「いいじゃないか、和事。圭市君なら大丈夫だよ」


 俺は部屋に戻り、専用スーツに着替えて、ヘッドマウントディスプレイを被る。

 そしてシティにログインする。


『松本圭市様、ようこそ、シティへ』


 俺はバーチャル案内アニマルのスィフルにセッティングしてもらう。


「スィフル、カーシミュレーションの箱ものをプレーしたい」

『車種は何にいたしましょう?』

「日産のR32スカイラインGTR。セッティングはアテーサキャンセル、ハイキャスキャンセル、デフを多板クラッチ式に交換、ブーストアップで400馬力くらい、サスペンションのバネレートでアンダーステアにして。あっ、それとリアタイヤのキャンバーをマイナス3度」

『了解しました』


 まずは仮想運転でコツを掴んでおこう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ