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018(坊さんのレベルUP)

――俺はシティをログアウトして、デニムとパーカーに着替える。ウェアラブル端末の時計を見ると18時頃だ。腹が減ったな。


 俺はリビングへ行くと、伯父さん、伯母さん、和事兄ちゃんが集まっていた。何か重苦しい空気を感じる。焼けた肉のいい匂いはするが。


「みんな、どうかしたの? 暗い顔して」

「圭市、俺は修行が決定した」

「マジか! 和事兄ちゃんは遂に生臭坊主を卒業か」

「生臭とはなんだ。これでも、しっかりと務めは果たしている。レベルアップだな」

「今日は和事の大好きなビーフステーキよ」

「圭市も僧侶になるか?」

「遠慮するよ、大変そうだし。いつから修行に行くの?」

「明日からだよ。場所は京都だから、今夜には出発しないとな」


 和事兄ちゃんは数年間も京都で修行をするみたいだ。ちょっと寂しくなるな。東京に居る、良太兄ちゃんの代わりの兄貴的存在だった。暫し肉食とお別れだな。和事兄ちゃんは頂きますと言って、分厚いステーキを噛みしめてる。


 俺も頂きますと言って食べ始める。ステーキを一噛みして分かった。軟らかくて肉汁がジュワッと出る、高い肉だ。伯母さん、無理したんだな。


 伯父さんも伯母さんも食べ始め、みんなで最後の晩餐をする。和事兄ちゃん、体を壊さないといいけど――。


「頂きました」


 俺と家族3人は手を合わせる。


「圭市、遠藤に宜しくな」

「えっ? うっ、うん」


 俺は、遠藤というワードに過剰反応してしまう。


「父さん、母さん。それじゃあ、行ってきます」

「ああ、気を付けて」

「和事ならしっかりやれるわ。頑張って」

「和事兄ちゃん、もう行くの?」

「車で行くからな」

「インテグラは暫く運転してないでしょ。埃だらけじゃない?」

「もう掃除したよ」


 俺がシティにログインしてる間に事が進んでいたか。


 伯父さんと伯母さんと俺で、明暗寺の駐車場にて、和事兄ちゃんを見送る。


 和事兄ちゃんはインテグラに乗り、ウインドウを開ける。


「それでは、行って参ります」

「気を付けるんだよ」

「困ったことがあったら、何でも連絡してね」

「じゃあね、和事兄ちゃん」

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