134(再びブルバルへ)
「ミラは反社会的ではありません。どちらが、ディジスプの王を引き継いでも大丈夫です。ラーテルの能力もあるから尚更」
『KONEにもラーテルの能力があるそうだ。松本君、今までに操られたことはあるかい?』
「ないですよ。……ということはやっぱり、俺がKONEですか?」
『確認のためにも、もう一度ブルバルを偵察するといい』
「分かりました。やってみます」
『それと、月には行けるかい? 月面基地に円月殺法という対ディジスプ兵器がある』
「行こうと思えば……円月殺法ってどんな兵器なんですか?」
『その目で確かめなさい。アリスを守れよ』ピッ。
丁度よく、弥生さんとミラが戻ってきた。
「お待たせ〜。ハビィのミルクと餌を買ってきたよ」
「早かったね」
「子猫ブースターパックってのを買ってもらったよ」
「アハハ、何それ。カードゲームじゃあるまいし」
俺達は明暗寺に帰り、部屋に行く。
ハビィは痛そうに「ミャー、ミャー」と鳴き、目からピンク色の石を出す。
「俺の部屋で粗相されても嫌だから、隣の部屋に連れていって。俺はこれからブルバルに行ってくるから」
「分かった〜」
弥生さんとミラはハビィとブースターパックとやら持って隣へ言った。
俺はジャケットを脱ぎ、ベッドで横たわる。スーっと幽体が抜けた。
天井を突き抜けて上空3万メートルほど上がると、西日本は台風にすっぽり隠れていた。
俺は全速力で南南東へ向かって飛ぶ。
数秒でブルバル上空に着く。マッハ10は出たな。どんどん速くなっていく。月にも楽に行ける?
俺は下降して繁華街をうろつく。相変わらず、日本人と同じみてくれの市民が生活をしている。前回は古い建物にディジスプって看板が出てて、地下に通じてたはずだ。
ディジスプの古い建物を発見した。相変わらず、看板のSの文字が取れてる。
俺は建物内に入ると、誰もいなかった。地下に行くと、研究室に数人、その中には雨宮ミコも。
見付からないように母さんを探す。50メートルほど通路を飛ぶと、前に母さんが居た研究室がある。
居た! 母さん! 間違いない。他に白衣を着た女性研究員が1人……チャンス!




