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メイドで最強な竜と魔術薬師  作者: 近衛ゆき
王女殿下
4/7

王女殿下 3

 盗賊の襲撃があった翌日、今日はせっかくの祭りだからという事で探索はせずに素直に楽しむことにしたハルトとルーナ。

「お~、これは盛大だね!」

「確かにすごい盛り上がりですね。人の数も昨日とは桁違いです。」

 街には露店が連なり、様々なグッズや食べ物が所狭しと並べられている。

「それにしても見たことのないものがたくさんあるね、どこに行ってみる?」

「え~と、そうですね...お任せ致します、ご主人様。」

「ん、了解」

 一見すればルーナは興味が無いように見えるだろうが、そうでないことは彼女の笑顔を見れば一目瞭然だろう。


「ま、まさか休みなしで回ることになるとは...」

 かれこれ数時間、休むことなく歩き回ったハルトの顔からは疲労が見てとれた。

「ご主人様、次はあちらを見てみませんか?」

「...マジで?」

「あ...す、すいません。ご主人様の事を考えず....」

「いいよ、気にしなくて。この際だ、露店全部制覇するくらいの勢いで行くか!」

「はい!」

 自分から前を行だすハルトを、ぱぁっと花が咲いたような笑顔を見せながらルーナはハルトの後を追う。

 …ルーナのこの顔が見れるならこれくらいの疲れなんか安いもんだ。

 この後、ハルトは筋肉痛で苦しむことになるとは思いもしなかった。


 祭りから帰った二人は早めに寝ることを選択、疲れがピークに達したハルトからの提案だった。

「あぁ、足が....」

 乳酸が足に溜まり、痺れたような感覚を紛らわすようにハルトは頭に引っ掛かっている記憶を手繰り寄せる。

「あの目は...」

 今日、祭りを見て回っていたハルト達はとある行列に遭遇していた。


 ■■■


 屋台で串焼きの種類を選んでいたところで、遠くの方から一段と大きな歓声が聞こえてくる。それは、道の中央を通る一団に向けられていた。

「なんだろう、この行列」

 ハルトの呟きに対して屋台の店主が作業をしながら答える。

「なんだあんちゃしらないのか?国王様だよ、この行列の最後尾にいらっしゃる。」

「へぇ、じゃあ一目拝んでおこうかな。」


 店主の言うとおり、行列の最後尾に他とは明らかに異なる装飾がなされた馬車に気品に満ちた姿で手を降る人の姿が見てとれた。

「あの人が国王様か」

 横についていたルーナが反応する。

「そのようです。しかし、あれは...」

「どうかした?」

「いえ、なんでもありません。」

 煮え切らない答え方をするルーナに違和感を覚えながらも、ハルトは再び国王へと目を向ける。

「........っ」

 その瞬間、不思議な少女と目があった。

 領主の隣にいたその少女が儚げに見えるのはどこか悲しげな表情からだろう。

「ご主人様?」

「今、あの人と目があった。」

「あと人...領主様ですか?」

「いや、その横の」

 ハルトの言葉にルーナは

「気のせいです。」

 即答した。

「え、いや、でも確かに」

「確かに儚げで、いかにも男性に好かれそうではありますが...いくらなんでもそれは」

「違うよ!?そんなんじゃなく本当に!」

「本当ですかぁ?」

「ははは、じゃあもう帰ろう。」

 尚も疑いの目を向けてくるルーナに、居たたまれなくなったハルトは踵を返しその場を後にした。


 ■■■


 …あれは、完全にこっちを意識していた......

「ああ!もう、やめやめ!」

 考えが煮詰まってきたハルトは、思考を停止し静かに意識を夢の中に落としていった。


「......うっ!?」

 いきなり腹部への重みがによりたたき起こされたハルトが、元凶を確認しようと目を開けるとそこには先程までの悩みの種であった少女が跨がっている。

「き、君は!」

 少女は目の端に涙を浮かべ、澄んだ声で一言


「お願いします、助けてください!!」


お読みくださりありがとうございます!


次話からちょっとしたダンジョン攻略などがある予定です。

感想や評価、ご意見等々ありましたらいつでもどなたでも大歓迎です!


まあ、そこまで本格的なバトルにはなりませんが(笑)

王道の冒険譚を描けていけたらと思いますので、暖かな目で見てやってください。よろしくお願いします!、


ではでは。

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