プロローグ
...どうしてこうなったんだろう
ハルトは剣を突きつけられ、後ろ手に縄で両手を縛られている。その横ではメイド服の少女が同じく両手を縛られてはいるが、両者ともなぜか怯えている様子はない。
二人を取り囲んでいる十数人の男達は、格好や喋り方から盗賊と見て間違いないだろう。幸い二人の荷馬車にはどう見ても金目のものはない。あるのは、傍目からは何に使うのかも分からない草花や道具ばかりだ。
...できればこのまま帰してもらえると良いんだけどな~
「なんだよこいつら、行商だと踏んで襲ったってのに金目のものなんざこれっぽっちも乗せてねぇじゃねえか!」
「どうすんだよ、これじゃあ無駄骨じゃねぇか!」
盗賊達がそれぞれ不満や怒りの感情をたて始めた頃、ハルトは次の展開がどうなるのかほぼほぼ予想できていた。
....まずいなぁ、このままだと...
「なんにしても手ぶらじゃ帰れねぇ、その女だけ連れて帰って優しく慰めてもらおう」
グヘヘといかにもな笑いが方々から漏れる。
「男の方はどうする?」
「聞かなくてもわかるだろ?」
当然だとばかりにハルトに剣を突きつけていた盗賊の一人が、そのまま首を落とそうと剣を振り上げる。
....ですよね~。
「あ、あの一応言うとやめといた方がいいですよ?」
そうハルトが口にすると、その場にいた盗賊全員から高々な笑いが起こった後
「命乞いするならもうちょっと練習が必要だったな!」
ハルトが更なる忠告を発しようと口を開けるのと剣が振り下ろされるのは同時だった....
ご覧頂きありがとうございます!
投稿は不定期ですが、この作品を通して段々と成長出来ればと思いますので、どうか暖かな目で見てやってください(笑)
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