穏やかならざらん日々をゆく
2016/04/26
N6666DG
朝
起きた頃には すでに一人
誰もいない そんな家で
朝食という名の果物を食べ
今日も
学校という施設へ向かう
たぶん いじめなんてものは無い
ただ
授業に集中することは叶わない
教師は 授業をする気もなく
生徒は 話を聞く気すら持ち合わせていない
授業中でも
平気で響く罵詈雑言
生徒という生徒は走り回り
唯一の大人である教師は
怒鳴る事すらもせず
この教室を後にする
昼休み
やはり止まない罵詈雑言
よく そこまで出てくるな
ある意味感心してしまう
お前ら全員 馬鹿に見える
数人の生徒が周りを囲み
そして 口々に言う
何ナメてんだ
いつもヘラヘラ笑いやがって
いい子ぶってんじゃねーよ
別に いい子ぶってなんかないよ
そう言ってやると 飛ぶ拳
ああ 隙だらけだなあ
こんなのじゃ 五歳でも避けられる
そうは思うも されるがままにしておいてやる
部活動というものは無い
授業が終わると 下校の道を踏む
今日も 体中が痛い
別に どうだっていいけれど
家へ帰る
いかにも幸せそうな父と母
穏やかそうに笑っている
だが 子供を見くびらないでほしい
本当はどんな仲かなんて
どんな阿呆でもすぐにわかる
今日初めてのまともな食事と
宿題 準備と 風呂を済ませ
親に一礼入れておき
自分の部屋へと歩を進める
布団にもぐりゲームをする
すると聞こえる怒鳴り声
深夜一時頃なのだろうか
家中に響く怒号怒声
誹謗 中傷 罵詈 雑言
なぜ なんで
こんな家に 生まれてきたのだろう
たったそれだけの疑問を胸に
瞼を閉じて
すべてから逃げる
雀の鳴き声が聞こえる
目を開けると 陽が眩しかった
ああ また 始まったのか
今日という名の
これまでの日が
昨日と同じような家
同じように学校へ行き
同じように一日を過ごすのだろう
今日も今日とて
変わるものは何もない
せいぜい 日付と時間くらいのものだ
地球という名の青い星は
今日も悠然と廻っている
世界で 何が起こっているか
今日一日で 何が変わるのか
すべてわかっていながらも
それらすべてを嗤うのだ
そして また
穏やかならざらん今日をゆく
穏やかならざらん日々をゆく
不良学校と険悪夫婦を想像しながら書いたのがいい思い出。