【詩集】詩集め

水辺の光

2016/08/01

N3057DL

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奥山に流れる細き清流、せせらぎの聞こえる闇の中。

月光に水面（みなも）は揺らぎ煌（かがや）き、水辺の草は艷やかに光る。

木々の隙間を通り来る青白い光、それに照らされ煌めく小川。

葉から滴る一滴の水は、瞬間水面に輪を描き、微かに光りながら流れに戻る。

木々に囲まれ、星の見得ない奥山の水辺、描かれる蛍光色の筋。

動き揺らめき軌跡を描き、すうと闇に浮かぶ黄緑（おうりょく）。

数個輝く丸い光、闇に映える黄緑色。

ひとつふたつと瞬けば、更に多くの光を呼ぶ。

誰もいない、深い山。

人の知り得ぬせせらぎに、一本二本と描かれる光。

何も見えない暗い闇、それを微かに照らす軌跡。

奥山に流れる細き清流、畔（ほとり）に光る微かな黄緑。

闇に不規則的に描かれる光の軌跡。

闇夜を照らす、蛍の光。

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誰も居ない奥山の、月に照らされるせせらぎで見つけた、希望のような微かな光。