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欠如
2016/7/10
N2552DK
皆が抱く感情、
すべての基準としてしまうほどの好と嫌。
よく、解せない。
そうなったのは近頃なのだが、
心に『響く』ことが減ったような気がする。
段々と、色でなく、
光そのものが薄れて行っているような、
そんな感覚に襲われる。
人の心にある仮面。
時が経つに連れ、
厚さを失っていくだろうそれは、
何故、
日に日に厚さを増すのだろうか。
心に花があるならば、
それは朽ち果て。
心に鏡があるならば、
それは罅入り。
雨すら降らず、
風すら吹かず。
音、聞こえども、聴くことは叶わず。
ただ、何かが渦巻くばかり。
起こらざるべきことが起こり、
あるべきものが消え失せる。
人はこれを、
欠如と呼ぶのだろうか。
常にあらずは、心の欠如か。




