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転生の狩人  作者: 藍色ノ鰐
一章
5/9

森スタート

枝葉を掻き分け、3日ぶりの肉を追いかける。


そう、僕が落ちた場所は『森』だった。


ちなみにだが、肉と呼んでいるのはウサギだ。

魔物ではないが、この地に落ちたその次の日当たりに遭遇し、どうにか狩って、食らった。

もちろん、火もおこせてないのでナマだ。


今の自分はまさしく獣だな。


拠点としている場所の近くにある湧き水で血の匂いは消して、土をあえてつけて自らのニオイも薄れさせている。

我ながら順応力高いと褒めたいくらいだ。


替えの下着が欲しいなぁ、とか時折頭の片隅で思うのだが…流石に森の中じゃそうも行かない。

生肉食べてもお腹壊してないのは救いだし、湧き水もアタル気配は無い。


肉が手に入らなくても、木を登り、木の実は手に入れられる。

それで初日は凌いだ。

木の実とて下手すれば毒持ちかもしれないが、アレルギー等も見られないし、いたって健康だ。

いや、健康だと思っておきたい。

そうしないとモチベーションが上がらない。


キノコに関しては、見かけても触らないようにしている。

なんと言っても見分けがつかないし、怖い。

テレビなんかで、キノコとり名人が誤って食してしまい、お亡くなりになったというのを見た気がするからだ。

その手のプロでさえ失敗するキノコ、怖い。

け、決して昔から苦手だったからではないんだからねっ!


っと、そうこうしているうちに拠点からそれなりに離れてしまったようだ。

何者かの気配を感じる。

この地で目覚めた当初も似たような気配を感じた。

そしたら、『隠密:1』『索敵:1』というスキルを手に入れた。

常に発動しているらしく、おかげでウサギは狩れたし、その気配から追われることも無かった。


隠密はそのままの意味で、隠れることに関するものだ。

自らに施しているカモフラージュとニオイ消しのおかげでかなり見つかり辛いだろう。


索敵はこの気配を感じることについてだと思う。

元の世界じゃ視線には確かに敏感で気付きやすかったが、見られているわけでもないのに感じることができるのはなんとも不思議なものだ。


もしも、相手に索敵持ちがいるのならば僕は見つかってもおかしくない。

感や嗅覚が優れている相手にも見つかるかもな。

おっと、どうやら気配を発するものは僕の獲物を狙っている。

参ったな、気配を複数感じられる。


そして僕の視界に入るは、緑色の小人?

腰蓑をつけてる以外には特にこれと言っては言いようがないな。

ギザギザで不揃いな歯。黄色く濁った目。長い耳。尖った鼻。

武器であろうこん棒を振るい、ウサギをし止めた。


その様子を見ていたほかの緑色たちは「ぎゃあぎゃあ」「ぎぎぎ」「ぐぎー」などと、言葉というより金切り声だな。耳障りだ。


ありがたいことに僕のことには気付いていない。

それに、ウサギを手に入れたことにより注意が散漫だ。

緑色達は、ウサギを見せびらかす一体の方へと集まる。


だが、離れていて、距離があるヤツがいる。

これは好機だ。

今の僕の顔はどんなだろうか。



多分、かなり獰猛な笑みを浮かべていると思うな。



すかさず木々の間を音も無く移動し、一番離れているヤツの後ろを取る。

さすがに、近づきすぎたのだろう。

振り返ろうとする前に僕は手を伸ばし、そいつの口を塞ぐ。

そして、途中で拾った木の枝を…


首へ、下から上へと突き上げた。

貫通し、脳まで届いていれば御の字。

我ながら恐ろしいことをしてしまったと思うよ。

この感触はなかなか深くイケタナ。


びくんびくんと痙攣していたが、動きが緩慢となり。完全に停止する。

まずは一匹。


すると、脳内に


『レベルアップしました。』


と音声が響く。急な出来事に声をあげそうになるが、必死に堪える。

やはり、こいつらは魔物のようだ。

ウサギを狩ってもこのような音声は聞こえなかったし。

元はといえば、こいつらの気配を感じたことによってスキルも手に入ったのだ。

しかたないよなぁ、主神とやらから直々に魔物を狩れと言われてるんだからね。


生きるためだ。


どうやら、集団行動をしていたようで、他の四体、ウサギを掲げているやつも含めて五体か。

そのうちの一体が、キョロキョロとし、こちらへと近づいてくる。

仲間意識があるのだろう。

足りないことに気付き、居たであろう場所へと近づく。


僕は、最初に倒したヤツから奪ったこん棒を握り締めながら待つ。

そして、集団との距離が十分にとれたあたりで、未だに周囲を見渡していたヤツに勢いよく振り下ろす。

レベルアップのおかげか?自分の力が上がっているような気がする。微々たる物なのか、それともそこそこ上がっているのか…。


結果的に二体目は鈍い音と共に沈んだ。

これで後四体。


こうなると流石にばれた様だ。

「ぎゃっぎゃ」「ぎぎいー」と二体がこちらを指差し、そのまま走り出す。

ウサギ持ちとその隣にいるヤツは傍観のようだ。

そこはみんなでかかろうとか無いのか。

まあ、そのおかげで大勢を相手せずに済む。


二体が近づいてくるが、僕は走って距離を取り直す。

付かず離れずを維持する。

追いつけそうで追いつけないのが癇に障ったのか、追いかけている片方がぎゃーぎゃー言いながらこん棒を振り回す。


ああ、無駄な体力消費ありがとう。

こん棒を振り回すヤツのスピードが落ち、もう片方との距離が開く。

僕はそれを待っていた。

すかさずUターンし、一体目をスルーするとスピードの落ちているヤツの前まで向かう。


そして、こん棒で足払い。

タダでさえばてていたのか、すぐにこける。

そこに、こん棒をお見舞いする。

一打二打とくらわせる。


追いついたもう一方に振り返り様にこん棒を振るう。


あわてて飛び退くが、僕は姿勢を低くし、今度は自分の足で相手の足を払い、コケサセル。

倒れたところにこん棒を振るう振るう。


『レベルアップしました。』

『棍棒:1のスキルを手に入れました。』


またレベルアップだ。

流石に、一体倒すたびに上がることはないだろうとは思っていたが、これまた短い時間に複数を相手したからだろう。


そして、棍棒スキルというのはどうやら武器補正が付くらしい。

その武器を使えば威力が増すってことだな。

これも、何回か棍棒を使って倒したから手に入れたのだろう。

他の武器でも手に入ったら積極的に使って、スキルを手に入れよう。うん。





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