プロローグ・4
町…。町…。あの中心の黒点が町。
「えーっと、なになに。まず町がスタートになるのはお勧めできない。だが、無いより希望を持たせてあげたほうがいいと思って黒点を町とする。…だそうよ。治安が悪い町の可能性が濃厚ね。特に、顔立ちがいいから人攫いとか怖いわね。」
今のは褒めてくれたのか?それとも、心配してくれたのか?
「そして、この台は回る。もし、ダーツが刺さらなかった場合は…やり直しだって。ふー、そこはよかったわね。もしも魔物の巣窟からハードモードとかだったら目も当てられなかったわ。」
また魔物か。
僕は、質問する。
「結局は、魔物を狩ればいいのか?」
「端的にいえばそうね。でも、自由は保障されてるわよ。先に制限されてるからかもしれないけど。」
ああ、もう決められてたってやつか。
「でも、恩恵はランダムだからね。下に着いた時点で開封されると思うわ。それまでは、あたしでもどんな物だか見れない。これほんと担当の仕事少なすぎでしょ。」
仕事場の上司に対する不満ってやつか?でも、仕事が少ないって愚痴るのはすごいな。仕事がすきなのだろう。
「鏡の前で何度も笑顔の練習したのにさ、見てもらえなかったし。いざ説明や初期設定をと思えば躓くし。なんだかなぁ、まああたしで375番目。その前の先輩方はどうだったのだろうか…。」
僕はその転生とやらの375人目ということでもあるのか。
他の三人も前後するもののそれくらいの番号。で、大陸とやらの東西南北の初期スタート。僕は南スタートで、更に位置を煮詰めるためにダーツをしなければならない。
そして、ちらっと言ったが町は物騒。ここは、水がある場所がせめてもの救いな気がする。
まだ資源が残っている大陸で、魔物とやらを倒して暮らせ。
それだけの少ない情報しかないのは正直厳しいが、サバイバルを考えとおかないとな。
雪原とか氷山とか寒い地域ならではのエリアがあったときは色んな意味で諦めてたかもしれないけど。
ダーツボードを見る限りでは緑ある地域だ。
崖には注意したい所だし、海がもしも海のど真ん中だったら…やっぱり諦めるしかないのかな。
考えていくにつれ望ましいエリア、望ましくないエリア半々と言った所か。
「あら、考えている姿はステキね。絵になるわ。でも、生活していけれるかが心配ね。」
「どうせ死んでる身だろう?なら、色々とかなぐり捨てて生きてみるよ。足掻いてみたいね。せっかく次があると提示してもらったんだ。」
僕は何かへんなことを言ったのだろうか?辛そうな顔されても困るんだけど。
「そう、ね。そうよね、次かぁ…。ううん、しっかりするのよ。375番。よし、あなたがその気ならこのダーツをお渡しします。では、回転!」
ダーツ矢を受け取り、僕は回転するダーツボードに…
そして
「行ってらっしゃい。」
まだどこに刺さったかも見れていないのに、落ち始める身体。そういえば雲の上からどうするんだろうとは思っていたが、落ちるのか。
手を振るミナコの姿が小さくなるにつれ、僕の意識は暗転した。