↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/10

4 財布

それから1ヶ月過ぎた。友喜はずっと思っていた。

”あの日……大失敗のファーストコンタクトの日から、完璧に無視されてるな。”

そう。あの日から、ずっと友喜は千夏から敬遠されている感じだった。


”久しぶりの、一目惚れも儚く散ったな。”


そう思っていた。その事は、みのるにも告げていた。


みのるは、『あはは。残念だったな。また機会があるよ。』と、笑いながら慰めた。


いつも友喜は、学校が終わればすぐさま教室を後にした。

千夏も教室を出ていた。

なので、自転車置き場で友喜が自転車の鍵を空けている途中に、千夏が歩いて抜いて行く。

そしてその千夏を、友喜は自転車で抜いて行く。

それが友喜にとって、唯一一番千夏に近づける時だった。


友喜は、いつもの様に川原で絵を描いていた。


するといきなり、後ろの方から声が聞こえた。


「あの。藤代くん。」



「ん?」

誰かと想い、後ろを振り向いた。


そこに立っていたのは、千夏だった。

「ちょ!うお!!何してんだよ!!」


”絵を!!絵を隠さなきゃ!!”


「いや。あの。財布。落ちてましたよ。」


”え??どこで落としたんだろ。ってか、中身見られてたら終わりだ。”


「無くしたって言ってたやつじゃない?学生証が入ってたよ。」


”無くしてた??あら??気付いてないのか??”


「あ……ありがとな。」

と、受け取りながら言った。


その後千夏と絵の話になり、それが美術部の時の先生に知れたら困るので、誰にも言わないでくれと口止めした。

そして、千夏は去って行った。


急な展開に、友喜は驚いた。

”普通に……話したぞ。”

”でも、もうこれ以上何もなさそうだがな。”


そう思っていた。


数日後、いつもの様にみのるの家へ向かおうと家を出た。

その時、千夏の家の方から物音がした。


音のした方へ目をやると、そこにいたのは千夏だった。

”学校へ行くには早すぎるだろ。何してんだ??”


と、思った時千夏と目があってしまった。


”話……掛けた方がいいよな。家が隣だったのは知らない設定にしよう。”

「まさか隣だったとはな。」


「そうだね。びっくりしたよ。」


「今日は早く学校に行く日か?」


「そんな日はないでしょ。いつもより早く起きれたから、その分早くいくだけ。」


「そうか。じゃあな。」


「じゃあなって。どこ行くのよ。藤代くんもたまたま早起きできたなら、遅刻せずに学校来ればいいじゃない。」


「俺は遅刻しないと、一日が始まらないんだよ。」

”実の家に行かなきゃならないんだよ。”


「なにそれ。」


「気にするな。じゃあな。」



千夏と別れた後、友喜は一人幸せな気分に浸っていた。

”今日は良い事があるぞ!!”

と、浮かれ気分でみのるの家へと向かった。


友喜はみのるの家へ着いて、その事を報告し始めた。


「おい実!!今日朝から千夏に会ったぞ!!」


「おはよう。そうなんだ。良かったじゃない。」


「おうおう。今日は絶対良い事あるよ。」


「かもな。」


「それよりさ……。」


そう言って、ドアの隙間からみのるが何かを出してきた。

それは、何かが書かれた紙だった。


内容を見てみると、そこには『最近、何か変わったことなかったか??』

と、書かれていた。


「最近変わったこと??」

と言うと、みのるは慌てた様子で言った。


「ば……馬鹿!!」


「え??何??」


「いや、何でもない。忘れてくれ。」


「お……おう。」


そんな感じで、その日はみのるの家を後にした。



その次の日にみのるの家に行っても、昨日の手紙のような事は無く、いつものみのるだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。