プロローグ
この話は、『あたりまえの日常』の、友喜サイドの話です。
先に、『あたりまえの日常』http://ncode.syosetu.com/n4262d/
を、読まれてから、『伝えたい想い』を読まれることをお勧めいたします。
俺は昔からずっと絵を描いていた。
母から教わった絵を。
母が買ってくれた、この水彩画の道具で。
俺はずっと母が好きだった。いつも笑顔の母が好きだった。
そんな母が、実家へと帰ったのは俺が14歳、中学2年生の時だった。
俺は親父が大嫌いだ。
母をあんなにしてしまった。親父が大嫌いだ。
だから俺は、親父の苗字である、”藤代”が嫌いだった。
初めて会う人にも、”友喜”と呼ばせていた。
俺には、無二のマブがいた。
横田実だ。
こいつとは小さい頃からの付き合いで、いつも一緒に遊んでいた。
何をするにも、一緒だった。
実が『私立都西高校』に行くと言った時は驚いた。
そこは、俺がずっと行きたかった高校だったからだ。
実は頭が良かった。だから、もっと良い学校へ行けたと思う。
それでもあいつは、笑顔で『私立都西高校』に行くよ。って言ってくれた。
その時の喜びを俺は忘れない。
俺が、『私立都西高校』を選んだ理由は、美術部の評判が良かったからである。
俺はずっと、実に助けられて生きてきたと思う。
泣きたい時は、いつもそばにいてくれた。
笑いたいときも、いつも隣に実がいた。
実には、中学の時からずっと彼女がいた。
その彼女の名は、白石逸美。
とても仲が良かった。
いっちゃん(逸美)は、目立つこと無く、静かで、おとなしい子だった。
周りからは、影の薄い子なんて呼ばれていた。
そんな2人を引き裂く事件が起きた。
いっちゃんの事故死。
それを境に、実は学校へ来なくなった。
そんな実を、”助けてやらなくては。”
と、そう思ったんだ。




