第5話 (2)
……正直怖い。特に最後ウフフと言っているところが怖い。何されるんだ? でも春原はくっつかれるのは嫌いじゃ……
「元に戻ったからね。先に2人で入ってもいい」
「いいよ」
「大丈夫」
「はい」
今、春原心読んだ!? ってみんな止めてー!
「大丈夫、変なことしないから」
「信用できないよー!」
俺はそう叫びながら、春原に引きずられていった。
俺は結局、風呂場まで来てしまった。
「さっ、入ろっ」
「……」
俺は春原を無視して服を脱ぎ始めた。するとまた春原がしゃべりかけてきた。
「肌白くてきれいだね。ちょっと触らせて」
「……(触りたい理由になってないだろ)」
「無言を続けるなら……こうだ!」
すると、春原は急に俺の体をくすぐってきた。そんなことされても効かないぞ、ってあれ?
「やめて、とってもくすぐったい……」
「ニヒヒ。さっ早くっ」
そう春原は言っている間に俺は服を脱いでいた。しかし下着姿になった時、初めて俺は気づく。
……俺はなんで女子の前で普通に服を脱いでいるんだ? 俺の体は女子だとしても、心は男なんだ! ここで普通に脱いでしまうと1週間後どうなるか分からない! でもどうすれば……
と俺が考えていると、春原が近づいてきて、
「何考えてるの? 早く入らないと後の3人が待ってるよ」
その後の記憶はなぜかなくなっていた……ということにしておこう。この後のことを思い出すだけでうずくまりたくなる。春原はドSなのか? はたまた百合なのか? そんなことを考えていると、いつの間にか俺が体を洗う番になっていた。
女子になったとはいえ、同じ人間だから体の洗い方はそんなに変わらないだろと思い、先ほどのことを忘れたい気持ちもあったため、いつも以上に強めにこすろうとした。そのとき春原が注意を促した。
「女の子の皮膚は弱いから気をつけてね」
ただ少し遅かった
「痛い」
「だから言ったのに」
いやちょっと遅いよと俺は思った。
その後、洗い方などをいろいろと教わり、風呂から出てきた。その後残りの3人が風呂に入ると、寝る時間になっていた。この4人はよく春原の家に泊まることがあったようで、布団は予備あわせて5組あった。そのため俺もゆっくり寝られる。
「「おやすみー」」
「「おやすみ」」
「……zzz」
「ハル寝るの早いね」
「結構魔法使ってたからね」
こうして皆は寝始めた。精神が男である俺は、女子に裸を見られたことを忘れるべく、幼女化春原との妄想に浸っていた。明日、その春原によってさらにひどい目にあうことも知らずに。