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B→maGic  作者: At14
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第3話

「それにしてもどうやって過ごすの?」

 帰りは5人で帰ろうということになり、靴箱で制定靴に履き替えていると、俺を女子にした上に女言葉しか使えないようにした張本人である春原春奈が、俺にこう言った。

「『どうやって』って?」

「女子になってまだ数時間しかたっていない佑珠希(ユズキ)ちゃんが、どうやって1人で過ごしていくの、ってこと」

「それがどうかしたの? 普通に1人で過ごすわよ」

俺は、質問の内容がよく分からず、1人で過ごすということを、言いたくないのに言ってしまう女言葉で答えた。すると……


「佑珠希ちゃん、何も分かってない!」


 春原が、冬野さん以外の4人が驚くほど大声で言った。

「いい、女の子は男子と全然違うのよ。しかも、両親は佑珠希ちゃんのこと、もとから女の子だと思っているのだから、困ったときどうするの?」

「は、はぁ。でもどうすればいいのよ! 春奈が元に戻してくれるわけ?」

俺はここで元に戻してくれると少し期待したのだが、春原は、少し考えてから言った。

「じゃ、うちに泊まろう! ……みんな、急だけどうちに泊まれる?」

「いいよ!」

「大丈夫!」

「私も大丈夫です」

「えっ……」


 思っていたのとは全く違うベクトルの方へ進んでいってしまった。しかし、ここで俺はいい案を思いついた。

「でも、あたし親に許可取ってないし厳しいから、友達の家へ泊まりに行くなんて無理だと思うわ」

「大丈夫。私の魔法なめないでね」

そう春原が言うと、何かまたぶつぶつ言い出した。終わったかと思うと、一瞬視界がぐにゃりと曲がった。

「ん? 今、いったい何が起こったの?」

「ふふっ。これで泊まれるよ!」

「ま、まさかー」

「じゃ、一旦家に帰ってから来てね」

 その後、春原に家の場所について教えてもらい、地図をもらった。家について簡潔に言うと、家は少し大きく赤い屋根であるとのこと。

 そして、あれこれ言っているうちに、俺はみんなと別れる場所まで来た。

「じゃあ、また今夜」

「ばいば〜い」

「またね〜」

「また今度」

「ばいばい……」

 そして、俺は夕焼けに向かっていきながら、家までの急な上り坂を走っていった。

修正

 8月17日:春原が自分の家について、下里和人(佑珠希)に説明している場面を編集

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