第1話
修正(話にかかわる編集はしておりません)
8月13日:字下げしました。亀甲括弧をなくしました。
――昼休み、俺、下里和人はかわいくてあまり接したことのないクラスメイトの女子にこんなことを言われた。
「今日、残れる? 放課後1−Aの教室に来てほしいんだけど」
俺はうれしい気持ちを何とかおさえて、「ああ、残れるよ」と答えると、その子は「よかった。絶対忘れないでね」と言って去っていった。
俺はその女子が見えなくなるのを確認してから、人目をはばからずに叫んだ。
「よっっっしゃーーーー!」
俺はもううれしい気持ちでいっぱいだった。
なぜなら、
……………………
女子から残れるか聞かれた
→つまり、俺に用があるということ。(これは正しい)
→ということは、その女子は俺に告白する。(急すぎる)
→よって、俺はその女子からキスされるっ!(妄想しすぎ)
……………………
俺は、いままで女子から告白されるどころか、女子とまともに話したこともなかった。そのこともあって、俺はその後の授業の内容を全く思い出せないほど浮かれていた。
しかし、俺はこのとき知らなかった。
なぜあまり接したことがない女子が俺を残らせるよう言ったのか……。
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放課後、俺はさっさと掃除を終わらせ、1−Aの教室へ走っていった。
さぁ、告白されに来たよ!
そういう気持ちで1−Aの教室のドアを開け、昼休みに話しかけられた女子を探したが、見つからなかった。きっとあの子も掃除で忙しいのだろう、と勝手に解釈し、1−Aのドアの付近で、待っていた。
その後30分たって、ようやくその子がやって来た。
「ごめーん。待った?」
「いや、俺も来たばかりだよ」
相手を申し訳なさそうな気持ちにさせないためにも、そう答えると、
「じゃあ、早く入ろう」
その言葉を聞いて、俺はふと思った。なんで、1−Aの教室で告白するんだろう。普通告白するなら、体育館裏とか、校舎屋上のような人目の付かない場所でするはずなのに。
ただ、そのことを思うには少し遅すぎた。
1−Aの教室に入ってみると、数人の女子が集まっていた。このとき俺はやっと気がついた。これは告白する場面じゃない、と。
そんなことを思っていると、そのうちの1人が、
「さあ、ショーをはじめるわよ」と言った。
「えっ……?」