表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ショートショート集 お弁当温めますか? ~Happy Stories~  作者: 夢宇希宇


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/25

ごめんねの本音

 駆け足の毎日。

 仕事に追われる日々。

 忙しいな。もう夏か。


「ササキさん、プレゼンの資料今日までだけど、大丈夫?」


 正面の席のミツヤ君に言われて、ちょっと焦った。


「大丈夫、大丈夫。定時までには終わると思うわ」

「そう? ならいいけど」


 ミツヤ君が心配そうな視線で見詰めてくる。


「ごめんね。でも、大丈夫よ」


 そのあとの言葉が続かなかった。

 今はプレゼンの資料作りに専念しないといけない。


 突然の電話の呼び出し音。


「はい、〇〇商事です…」


 電話には、ミツヤ君が出てくれた。

 電話が気になったけど、プレゼン…プレゼンの資料を作らないといけない。


 嫌な予感がして、ふいにミツヤ君に言われた。


「ササキさん、△△テクノロジーのノベルティが足りないって電話だけど?」

「え!? ちょっと待ってね。今、確認するから」


 ノベルティの発注書を見ると「ああ、ごめんね。私が間違えてた。足りてないね。今、追加発注するから」


「俺、やっておこうか?」

「ううん、大丈夫。自分の仕事だから、迷惑かけられない。ごめんね」


 急ぎ、追加の発注をした。プレゼンの準備をしないといけない。

 パソコンの時計を見ると、定時に迫ろうとしていた。

 このままでは終わらない。焦る気持ち。残業するしかないか。


 ちょっと視線が刺さるような気がして、正面を見ると、ミツヤ君と視線が交錯した。


「ササキさん、ちょっとこれ見て」と、ササキ君が手渡したのは、チラシだった。何だろう?

「…これは?」


「今夜の花火大会のチラシだよ。会社の近くの神社でやるみたいだからさ。一緒に行かない?」

「誰が?」ふと、間抜けた声が出た。


「俺とササキさんでさ。行こうよ、一緒に」


 花火か。仕事漬けの日々でそんな余裕はなかったな。

 でも、プレゼンの準備が資料を作らないといけない。


「ごめんね。まだプレゼンの資料が出来なくて、行けそうにないわ」


 ミツヤ君は、一瞬困った顔をして言った。


「俺が手伝うからさ。大丈夫、二人でやれば何とかなるよ」

「でも…」


「一緒に行こうよ」

「そう…ね。ごめんね」


「違うよ」

「え? …私、間違えてた?」


「そうじゃなくってさ」

「うん?」


「こう言えばいいと思うよ」


 何だろう?


「ありがとう、でいいと思うよ」


 そうか。すっかり忘れていた。


「ミツヤ君、ありがとう。花火、楽しみね」

「そうだね。俺も楽しみだよ」


「うん、ありがとう」



ごめんねの本音

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ