初めての公休日?カオス発生中!
――領都・朝。
「シフト制を無理やり導入してから、今日あたりから休みの人が出るらしいわね!」
「はい! なので視察がてら領都へ行きましょう!」
ミュネと一緒に城下に降りると――
「……あれ?」
「……なんか変ですね?」
なんか……人が多い。いや人が多いというより、フラフラ歩いてる男たちが大量にいる。
まるで、魂だけ出て行ったかのような虚ろな目。休暇初日とは思えないくらいの“迷子の大人”が溢れていた。
「ちょっとあなた! 今日休みの人?」
話しかけると、疲れた顔の中年男性が振り向いた。
「あー、メイヤ様か……。そうなんだが……」
「休みなのに、なんでフラフラしてるの?」
「いや、その……家でゴロゴロしてたら、“掃除するから邪魔!! 外で遊んでこいこの大型生物!!”って嫁に……」
「…………」
ミュネ「メイヤ様、これは……」
「休みの日のお父さん現象……!!」
私は頭を抱えた。
家にいると邪魔扱いされる父。
行き場をなくしてさまよう父。
休みを満喫できない父。
世界は異なっても父の扱いは同じなのか……!
「じゃ、じゃあ他の人は……? 子持ちの人とか?」
別の男性に声をかける。
「今日休みなんですか?」
「あー……休みなんだけどよ……子供ほっといて“俺だけ休む”のは、なんか……な……?」
「……そ、そうよね……」
お母さんは家の仕事がある。
父だけ休んでも子供は騒ぐ。
父は余計に邪魔扱いされる。
ミュネが小声で言う。
「メイヤ様……もしかして休暇制度、父親たちにとって地獄の日なのでは?」
「くっ……想定外すぎる……!」
ここで私は悟った。
――娯楽が必要だ。
「休みのお父さん対策として……」
私は必死で脳を回転させた。
パチンコ……は作れないし!!
ゴルフ……ギリいけるか?!
ビリヤード……材料がギリいける!?
ボウリング……木工組めばいける?!
ゲートボール……老人に売れそう!!
将棋、オセロ(リバーシ)、トランプ……これは作れる!!
ピンボール!! これはワンチャン再現できる!!
ミュネが目を丸くした。
「メイヤ様……娯楽施設を作るおつもりですか?」
「そうよ!! お父さんたちが家から追い出されても楽しめる施設!!――名付けて“遊戯館”!!」
こうして領内初のレジャー施設の構想が生まれた。
◆
でも問題はまだある。
「子持ちの人がお休みできない問題ね……」
そこで私は叫んだ。
「保育園だわ!!」
「ほい……へん?」
「10歳くらいまで預けられる“学校+託児”みたいな施設よ!!高学年の授業は学術員さんにお願いして、私が使ってた教材を版画で作って配布する!」
「給食も出すんですか?」
「もちろん!!だって教員も働くんだからね!!!」
ミュネが感動したように目を潤ませた。
「メイヤ様、本当に……本当に領民のためを思って……!」
「まあね!!あと子供向けの遊び道具も作るわ!」
「まだ増やすんですか!?」
「積み木! ジグソーパズル! 輪投げ!あと……滑り台とかブランコも!!」
「また大型工事が……!」
私は天に拳を突き上げた。
「公休日は……“家から追い出された父を救い、
子持ちの親にも休みを与える制度”として完成させる!!」
「メイヤ様、仕事量増えてますけど……?」
「分かってる!! でもやるの!!!」
こうして――
初めての公休日は、領内に多くの課題を露呈させた。
だが同時に、
娯楽施設と学校兼託児所という新たな発明を生むことにもなったのだった。




