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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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82/205

牛乳への道と豚舎と突然始まる畜産会議!

「さて……ここから領地に必要なのって、何だろう?」


地図を見ながら腕を組む私。


木は増えた。

紙はある。

鉛筆もある。

鉄も見つかった。

工場も建てる。

食べ物も安定しつつある。


となると、残るは――


「家畜……かな?」


ピヨピヨ(鶏)は順調に増えている。


「ある程度、羽数が増えるまでは卵も取らずに増やすのを優先……これはこれで正解なんだけど……」


問題は、牛と豚だ。


「時間がかかるのよね……増やすの」


ピヨピヨは卵から孵化して成長も早いけど、

牛も豚も1匹の価値が重い。


「よし。畜産……始めますか!」


拳を軽く握る私。


すると後ろからガルドが小さくため息。


「……また新しい分野に手を」


「違うの!これは生活の基盤だから!今後の食卓に革命を起こすから!」


私は鼻息荒く続ける。


「牛が増えれば、牛乳が飲めるでしょ?」


「はぁ……まあ、そうですが」


「バターに、チーズ……飲むヨーグルト!」


「最後のはよくわかりませんが……」


ふふふ……。

私の前世知識、また火を吹くわよ……。


■計画開始!


「牛舎と豚舎を作ろう!」


「はいはい、また建築班の仕事が増えますね……」


「囲いも必要ね。畑とは別に広い放牧地を確保しないと」


「はい、地図に反映しておきます」


ガルド、仕事が増えて心が折れそうな声をしている。


■調達は――当然あの男


「ロウガさんに頼もう!」


「またですか……いやまあ、あの男の調達力なら……」


そう、調達といえばロウガである。

あの人は“欲しいものを持ってくる”才能がある。


(合法的にね……たぶん……)


「牛と豚を合わせて二十頭くらい? まあ均等に十頭ずつかな?」


私は軽く指を折る。


「子持ちの牛だと嬉しいわね。勢いが違うから」


「……あの、メイヤ様?」


「ん?」


「あなた……畜産の専門家でしたっけ?」


「イメージがあれば何とかなる!」


ガルドが天を仰いだ。

最近この人、空ばかり見てる気がする。


■そして――住民たちの家畜


「もう一つの方法!」


私は鉛筆を空中で振る。


「今、各家が飼っている家畜を……まとめて管理!」


「つまり、領地が中心となって畜産場を運営し、そこから繁殖したものを分配する、と?」


「そう。それならみんな負担がなくて、増やしやすい!」


各家で1〜2匹飼っている家畜はいる。

ただ、それだけじゃ発展しない。


なら領がまとめて面倒を見て、増やして戻せば良い。


「そして今の飼い主さんたちをそのまま管理責任者に!」


「……なるほど。経験がある者をそのまま人材として登用するわけですね」


「そういうこと! 最初から専門家はいないもの、自分たちで作るの!」


ガルドはやっと頷いた。


「これは……かなり現実的な案ですね」


「でしょでしょ!」


■畜産地計画


学術の人たちが作ってくれている地図を広げる。


「この辺りが平地で、風も通るし……」


「水場も近いですね」


「よし、ここに大きい囲い! ここに牛舎! こっち豚舎!」


「畜産村みたいになりそうですね……」


「うん! いいじゃん畜産村!」


私は勢いよく鉛筆を走らせる。

ガルドは苦笑しながら地図に正確な線を引き直す。


「メイヤ様。領地の正式な指示として扱われますので……もう少し丁寧に……」


「はーい……」


相変わらず子ども扱いされている気がする。


でもまぁ、間違ってない。


■ロウガへの依頼書


「よし依頼書完成! ガルド、ロウガさんのとこに届けて!」


「……もう少し私の業務量も考えてほしいのですが」


「ガルドならできる!」


「……その言葉、もう褒め言葉として受け取れなくなってきましたよ」


と言いながら書類を抱えて走って行った。


うん。頼りになる執事って素敵。


■そして私は呟く


「これで……肉も、乳製品も……未来が変わる!」


領地はまた一歩前に進む。


畜産は地味だけど確実な革新だ。


「さぁ、牛乳生活……始まるわよ!」


私は勝手に決めて、勝手にワクワクした。


王都の騒がしい影とは裏腹に、

この領地は今日も元気に進化していく――。

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