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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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震える総責任者アグライアと生活革命の第二陣!

王都の中心部。

世界商品登録機構――その最上階の執務室にて。


総責任者 アグライア=ホルンベルグ は、書類を見たまま固まっていた。


「……木まで……増やした……?」


先ほど届いた報告書には、こう書かれていた。


──“挿し木による樹木増殖に成功。複数種で再現性あり”──


アグライアは震える指で文字をなぞった。


「……あの子……また世界変える気なのね……?」


紙、ゴアゴア紙、鉛筆、製法開発。

そのうえ木材資源の人工増殖。


「数年単位で短縮よ。森林再生の仕組みが……根本から変わるじゃない……!」


震えるというより、もはや笑うしかない。


アグライアは椅子にドサッと座り込んだ。


「どうしてあんなにちっこいのに……こんな事を次々と……!」


すると、部屋の扉がノックされた。


「アグライア様! 潜入中のスパイより緊急連絡です!」


「はいはい、どうぞ!」


部下が慌てて入って来る。


「――“不穏な動きあり”。ただ詳細はまだ。分かり次第続報を送るとのことです!」


アグライアの瞳に鋭い光が宿る。


「……ついに、動き出したわね」


世界が揺れる時、必ず影も揺れる。


それは彼女が長年この仕事で学んだ“世界の法則”だった。


窓の外に広がる王都を眺めながら、アグライアは呟く。


「さて……あなたたちは、どんな動きを見せてくれるのかしら?」


そしてもう一度、報告書に目を落とした。


「あの領地……しばらく目が離せないわね……」


―――


一方その頃、メイヤ領。


王都からの募集を見て集まった 第二陣の移住者 が到着した。


「本日よりよろしくお願いします!」


列になって頭を下げる人々の肩書を見て、私は目を瞬かせた。


錬金術師

元医師

元薬師

雑貨屋

飲食店

靴屋

床屋

仕立て屋

調味料職人

お菓子屋見習い などなど……


「うわ……生活系の店が一気に増えそう……!」


思わず顔がニヤニヤしてしまう。


村の周りではアパート建築が進んでいるが、

店が増えるって生活の質が跳ね上がるのよね!


「床屋さん!? 髪切ってもらえるの!?」


「靴屋さん! 私、すごい助かる!」


「雑貨屋って……私のメモ帳置いてもらえる!?」

「飲食店……お、おやつが……!?」


テンションが爆上がりし、後ろにいたガルドに袖を引っ張られる。


「メイヤ様、落ち着いてください。顔が完全に“遊びに来た子ども”です」


「む、むぅ……」


しかたないじゃない。嬉しいんだもの。


―――


さて。気になるのは――


錬金術師らしいお兄さん である。


「えっと……錬金術師さんって、どんな仕事を?」


「主に物質の分離、精製、合成などを……」


「つまり化学の人?」


「化学……? いや、錬金なので……」


「んんんんん???」


理解が追いつかない。

でも雰囲気的には、なにか便利な分野っぽい。


「落ち着いたら詳しく話、聞かせてください!」


錬金術師はなぜか緊張して「は、はい!」と返してきた。


―――


領内の発展は続いている。


学術員さんたちは挿し木観察と並行して領内の 地図作成 を進めている。


大分形になってきた……のだが。


「元の領地の広さがわからない!」


これが最大の問題である。


「やっぱり比較対象がないと地図って難しいのね……」


山、川、森、湿地、漁村。

点在する小さな集落が次々と確認されているが――


領地そのものが、どこまで広がっているのかが不明。


「……学術員さん、引き続きお願いね!」


「任せてください!」


こうして地図プロジェクトも引き続き進行。


―――


アグライアは世界の変化を感じ取り、

領地では次々と新たな住民が流れ込み、

そして挿し木の成功で木材革命は加速する。


そして――


水面下で、不穏な影もまた、静かに動き出していた。

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