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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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メイヤ、領地の構造改革を思いつく

「……うーむ」


朝の執務室。

メイヤは、机に広げた紙を前にして腕を組んで唸っていた。

その横を通りかかったメイドが、思わず二度見したほどの真剣顔だ。


(これは……また変なものを思いついた顔……!逃げよ……)


メイドは即座に方向転換して退散した。


メイヤの脳内は、いま大混乱中である。


■ メイヤ、領地の実情をようやく理解し始める


「……私、気づいてしまったわ……」


ぽつりと呟く。


「この領地……私、全然把握してない……!」


パンッと机を叩く。


土地の位置関係も曖昧。

集落がどこにあるのかも知らない。

川が何本あって、どれが村の水源なのかも分からない。


(いや……さすがにこれはまずいでしょ……)


前世では完全に一般人。

地理なんて地図アプリに丸投げだった。

だから今、リアル地図なし世界で苦しんでいた。


「うん、これは……まず“現地調査”を繰り返すしかないわね!」


決意した。


が。


次の瞬間、腰がギクッとなる。いくら若くなったとはいえこの小さな身体じゃ響くわね。


「……でも荷馬車が地獄なのよね……!」


昨日の揺れがまだ尾を引いている。

ゴトンッ!バインッ!ズシャァッ!!


(うっ……思い出すだけで背骨が軋む……)


前世の知識でサスペンションを作らせる案が頭をよぎるが、鉄工?技術が追いつく気がしない。


「まぁ、それは後で考えるとして……」


ひとまず、調査は学術員を頼ることにした。


■ メイヤ、領地運営の“組織化”を思いつく


ふとメイヤは思う。


(私ひとりで全部やってたら、確実に死ぬ……)


そこで机に紙を引き寄せ、ペンを走らせた。


「この領地の“意思決定の流れ”を……ちゃんと整理しないと!」


そしてできた図がこちら。


私(発案、改善、陳情?)

     ↓↑

ガルド(提出書類の確認・指摘)

     ↓↑

領主=お父様(最終決定)

     ↓↑

私(発案、改善、陳情?)⇆各担当部門へ指示


じぃぃぃぃと見つめる。


「……うん、これ、まともな組織の流れじゃない?」


メイヤは満足げにうなずいた。


「だって、全部私に聞かれても困るし!!みんな混乱するでしょ!?“あのちっこい子に聞け”みたいな状態になるじゃない!」


すでに領民の間では、


「何かあったらお嬢様の所に相談しろ」

「お嬢様が何とかしてくれるらしい」


という風潮が生まれつつあるのを感じていた。


「そんなの無理よ!!私、細胞分裂しないんだから!!!」


机をバンバン叩きながら叫ぶ。


だからこそ――


「この“仕組み”を文書化して、お父様に提出しよう!」


ガルドにも渡して、正式な“領地の運営体制”にするつもりだ。


整理すると、少し気が楽になった。


(よし、私は“発案”と“改善”と“面倒ごと相談窓口”くらいでいいわ!)


最後の項目だけ重すぎる気もしたがスルーする。


■ まずは学術員の進捗確認へ!


「問題は……領地の把握ね」


メイヤは立ち上がった。


「学術員の皆さん、私よりよっぽど歩いてるわよね……?」


道中で荷物が増えに増えた学術員たちの姿を思い出す。


(あの人たち、採集のプロよね……。うちの領地、何か“使えるもの”が落ちてるかもしれないし!)


「何をどこまで調べてるのか……今すぐ聞いてくるわ!」


勢いよく部屋を飛び出す。


が。


三歩目で――


「……いッ……!」


腰にビキッと痛みが走った。


「い、痛たたた……!!昨日の荷馬車の揺れがまだ残ってる……!!」


壁に手をつきながら、ゆっくり歩き始める。


(大丈夫……私は元経営者の女……!この程度で……負けるわけにはいかない……!)


全身プルプルさせながら廊下を進むメイヤ。

その姿は、まるで修行明けの武道家のようだった。


■ こうしてメイヤの“領地把握作戦”が始まる


まずは学術員たちから現地調査の進行度を聞き出し、そのデータを元に領地の全体像をまとめる。


「これからの改革の土台は“地理の理解”よ!」


気合を入れつつ、腰はまだギクギクしている。


メイヤの本格的な領地改革は――

ようやく組織的な第一歩を踏み出そうとしていた。

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