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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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メイヤ揺れる!アグライア様吹き出す!ため息2人の隊長!

「……はぁ……腰が……」


荷馬車から降りたメイヤは、地面についた瞬間その場で四つん這いになった。

揺れる!跳ねる!また揺れる!!

まるで拷問器具の試乗会である。


「やっぱり……道が悪いとこうなるのね……王都往復のときも思ったけど……今日は特にひどい……!」


ゴトンッ!バインッ!ズシャァッ!

さっきまでの振動が脳内でリフレインしている。


メイヤは、ぼーっと前世の記憶をたどる。


(確か……板ばねサスペンション……だったわね……。次男が整備士だったから、なんか鉄の板を束ねてどうにかこうにかって……言ってたような……サスペンションの仕組みをド忘れしつつ、でもまぁ、そのうち作ってもらおう)


と決めた。

未来の私がなんとかする。知らんけど。


一方その頃・王都――


世界商品登録機構・総責任者

アグライア=ホルンベルグの優雅なティータイム。


本日も超高級紅茶を片手に優雅に書類を処理していた。

そこへ、あの噂の貧乏男爵領からの報告書が届く。


「さて……次はどんな奇妙な商品が出てくるのかしらね……?」


ウキウキしながら封を切る。


読み始めて——


ぶぉんっ!!!!


「ぶはあああっっ!!?」


紅茶が盛大に吹き出した。


書類にはでっかくこう書いてあった。


――領民募集します!!!――


「……っ、あは、あははははははは!!!!」


アグライアは腹を抱えて笑った。


「ちっこいのの、仕業だね!?商品登録機構経由で領民募集!?前代未聞だよ!?誰も思いつかないよ!?あっはっはっは!」


笑いすぎて涙が出てきた。


しかし、落ち着いたアグライアの顔はにやりと笑う。


「ま、いいさ。うちが窓口になってやるよ。

なにせ、あのちっこいのが造った商品、王都でバカ売れしてるしね。今のタイミングなら……問題もないでしょ!」


紅茶をすすり直すアグライア。

しかしさっき吹き出した紅茶が机の上で小さな湖になっていた。


「……あとで拭いておこっと」


どこまでもマイペースである。


しっかし貧乏男爵家に居る木工師の爺さん。既に規格を統一運用してるって?

しかも私に対して国を動かせ?

私の事をババアなんて言うのは‥‥

鷹の目の様な目付き?


まさかあんたか?ロットよ?

流れ着いた先がそこかい?しかもこのタイミングでちっこいのと同じ領内に?住んでたのか。ククク!


同じく同時刻――国境付近・謎の会議開始


薄暗い森の手前、領地境界線ぎりぎりの場所。

機構軍隊長と近衛隊長ラウフェンは、腕を組んで難しい顔をしていた。


テーマはひとつ。


「防備どうする問題」


野盗のリアル

機構軍隊長が、指で地面をつつきながらぼそっと言った。


「野盗って言ってもよ……アイツらも“おまんま”食うために襲うんだぜ?だがよ……この領地襲ってもよ……」


言葉を濁した。近衛隊長が代わりに言う。


「……うん、食えないよな……。“貧乏領地”って逆に安全なんじゃないか……?」


2人は無言になった。


■ 驚愕の事実:兵力ほぼゼロ


「しかしまぁ……改めて確認したが……」


ラウフェンは頭を抱える。


「兵力が……ほぼ0だ。」


「0だな。」


「0……だな。」


「驚くほどの0だ。」


2人、しみじみ納得した。


■ 防備案:最低限すぎる門番


機構軍隊長が肩をすくめる。


「だからよ、ここに小屋でも建てて、おっさん3人ぐらい門番に立てときゃ終わりじゃねぇか?野盗も“あっ、なんもねえな”って引き返すだろ。」


近衛隊長もコクリとうなずく。


「いや本当に……それで十分なのが悲しい……」


ふいに機構軍隊長が立ち上がった。


「なぁ、ラウフェン。俺はよー……腹の探り合いとか駆け引きってのが大っ嫌いなんだわ。

面倒くせぇ。」


「お前が言うと説得力あるな……」


「だから腹割って話そうぜ?お互いどこまで情報握ってるか出し合って、その上で“いやこれ無理だろ”って部分は助け合った方が早ぇ。」


「……確かに。」


■ 情報共有の結果


1時間の濃密な情報交換の結果――


「……なるほどなぁ。」


「……そういうことだったのか。」


両名は深くうなずいた。


そして最後に同じ結論へとたどり着く。


「王様をたらし込んで……」


「うちのババア(=アグライア様)まで懐柔して……」


「……何なんだよ、あのちびっ子……」


「いや、もうなんか……人種が違う気がする……」


2人は遠い目をした。

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