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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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漁村でまさかの“宝の山”発見!?

メイヤは机に並べられた二つの植物――

丸いゴロゴロ (馬鈴薯) と、黄色い粒のぎっしり詰まったツブツブ (とうもろこし) を見つめ、


「ふふふ……ふっふっふ……ふぁーーっはっはっは!!!」


悪役令嬢の笑いを響かせていた。


「ついに!この世界の食料革命が始まるわ!!」


学術員(植物担当)は引きぎみに拍手をしていた。


が、すぐにメイヤは鉛筆を握り直し、冷静にメモする。


「でも……農業はすぐ結果が出ないのよねぇ……」


実に、前世日本人らしい現実的思考だった。


「種を増やすだけで一年はかかるわよね。

ここは学術員さんに任せて……私は別の食料調査をする!」


メイヤの視線がギラリと光る。


次にターゲットにしたのは――漁業。


「そういえば、うちの領地って漁村もあるんだよね。遠いのかな?」


メイヤはミュネを呼びつけた。


「徒歩で、約二時間ほどですね」


「うん、はい無理!!」


秒で切り捨てた。


「私の足じゃ泊まりがけになるわ。荷馬車借ります!」


「お嬢様の移動速度は……まぁ、その……」


「言いたいことは分かってる!!」


こうして、学術隊の空いている荷馬車を借り、ミュネと一緒に漁村に向かうことになった。


◆◇◆


■ そして到着――衝撃の事実


「……え?」


「はい、ここが漁村です」


家が。


三軒。


ぽつん……ぽつん……ぽつん。


村とは???


メイヤの口が半開きになった。


「え、えっと……ここ……“漁村”って言ったよね?」


「はい。漁村です」


「三世帯!?各国の“三大なんちゃら村”に喧嘩売ってるレベルで小さいんだけど!!」


でも、漁村はちゃんと漁村だった。


漁民たちに話を聞くと、


「取れるのは魚ですわい。村の方に持っていきますが……夏場は距離があっての、腐っちまうこともありましてな」


「そりゃそうよね……」


メイヤは頷きながらメモを取る。


(干物作れば解決じゃん!)


――と思った瞬間、気づいた。


『干物』という概念が、どうやら存在していない。


(よし、これは後でまとめて指示書に入れよう)


そんなときだった。


ふと視線を海辺に落とすと――


砂浜にヌルッとした黒い帯状の物体が山になっている。


「あれ……海藻?」


「はい。よく引っかかるらしく、みなさん捨ててしまうと」


メイヤはその海藻を持ち上げて目を見開いた。


「ちょ、待って……これ……これ、もしかして……真昆布じゃない!?」


厚み。長さ。色。

どう見ても高級品。


「ちょ、ちょっと!?これ、市場に出したら高級料亭が札束握りしめて走ってくるレベルよ!?!」


漁民「あぁ……邪魔なんで全部捨ててますが」


メイヤ「捨てるなーーー!!!」


メイヤは思わず漁民の肩を掴む。


「これは!ただ干すだけだから、今日から乾燥!乾燥したら全部!!全部私のところに持ってきて!!!」


漁民「は、はいぃぃぃ!!」


メイヤは砂浜に散乱する昆布を眺め、口元がニヤァ……と歪んだ。


(これで……出汁が取れる……!)


そう、ここからが食文化改革の第二波である。


「出汁が取れれば……煮物もできるし……昆布の佃煮も……はっ!」


メモを取りながら興奮は止まらない。


「そうだ!豆も取れるってことは味噌も作れる!!ということは、醤油もいける!!

あーーー!!夢広がるぅぅ!!」


「お嬢様、よだれが」


「――っ!?」


思わず拭いた。


だが、突然メイヤは遠くを見つめた。


「でも……やっぱり……」


胸の奥からこみ上げてきた言葉。


「米くいてぇぇぇぇぇ!!」


漁村にメイヤの叫びがこだました。

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