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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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領民募集大作戦?

メイヤは机いっぱいに広げたメモの山を、ひとつずつ指でトントンと揃えながら長い溜め息をついた。


「……やっぱり、根本は人手よね」


昨日、父から聞き出した領地の詳細――人口、地形、農地、資源――すべてをメモにまとめた結果、ひとつの事実が浮かび上がっていた。


領地の規模に対して人口が圧倒的に少なすぎる。


新しく来た商隊の人数の方が多いという衝撃事実に、メイヤは鉛筆をくるくる回しながら天井を仰ぐ。


「いやいやいや、さすがにそれは……いや事実なんだけど!どうなってるのうちの領地!」


人口が少なければ、生産量も伸びようがない。どれだけ画期的な発明をしても、作る人間がいないのでは話にならない。


そしてさらに、メイヤの脳裏をよぎるのは昨日ロウガから聞いた“奴隷制度”の話だ。


「この世界、やっぱりあるのか……と思ったけれど」


メイヤはメモをめくる。


そこにはロウガの説明が丁寧に書かれていた。


この国に“人を売買する奴隷”はいない。

罪を犯した者の“刑罰奴隷”のみ。

買い取り制度などは存在しない。


「まあ、それなら良かったけど……」


胸を撫で下ろしつつも、同時に「じゃあ人手はどう集めれば?」という課題が残る。


他領地からの引き抜き?

それは現実的ではない。人口は資産、それを手放す領主などいない。


教会保護者の移住?

それは領主同士の合意が必要で、寄進(寄付)も求められる。

つまり、“うちに余裕があるのが前提”。


「……今のうちの状況じゃ、無理よねぇ……」


またひとつ溜め息が増えた。


けれども、人は欲しい。

人がいなければインフラ整備も、産業拡大も進まない。


メイヤは机に突っ伏した。


「うーん……どうすれば人が来てくれるの……」


その時。


ふと、現代日本での就職活動や求人広告の記憶がよみがえる。


求人情報誌。

転職サイト。

「新天地で働こう!」みたいな地方求人。まあここだと本当に新天地。。。


――働きたい場所があれば、人は集まる。


「……そうか。こっちから“欲しい欲しい”って言うだけじゃダメ。“来たいと思ってもらえる場所”を作れば良いんだ!」


メイヤはぱっと顔を上げ、鉛筆を走らせる。


白紙のメモに書かれたのは、太く大きな文字。


『只今領民募集中!!』


「よし、ここからだ!」


勢いに乗ったメイヤは、走る手を止めずに次々と条件を書き込んでいく。


――働く気のある貴方!!

――家族ごと移住歓迎!

――年齢不問!

――技術保持者優遇!

――移住費は領地負担!(物品支給の可能性あり)

――領収書をお忘れなく!


(……領収書ってこっちで通じるのか、まあいいか! ロウガさんがどうにかしてくれる!)


大まかな形ができると、今度は現地の雇用条件に目を向ける。


日雇いは高い。

短期雇用は不安定。

しかし――長期契約なら現実的。


「ロウガさん、長期契約の話してたわよね。

じゃあ、うちは一年契約でどう?その後、仕事ぶりによって一年更新も可能……うん、これだ」


彼女は新しい紙にタイトルを書いた。


『労働契約案(仮)』


労働期間:一年(更新あり)

賃金:日給より安く、かつ生活が安定する額

住居:未整備のため優先提供

福利厚生:怪我や病気の際、教会との協力体制を検討


「……いい感じじゃない?」


村のインフラが整っていないのは問題だが、それは最初に日雇いを雇って形だけでも整えれば良い。


その後に“移住募集”を出す。

王都で広告を張り出し、商人たちにも情報を広めてもらう。


「完全に求人広告ね……。でも、これって絶対効果あるでしょ!」


メイヤは書き上げた紙束を抱きしめ、椅子の背もたれにもたれかかった。


次にやることは決まっている。


「よし、この案をロウガさんに見せて意見を聞いて……。その後はお父様に提出しよう!」


胸がわくわくと熱を帯びる。


ようやく、領地の未来を動かす“第一歩”が見えた気がした。


「よーし、頑張るわよメイヤ領地改革計画〜!!」


彼女の声が部屋に響いた。

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― 新着の感想 ―
1年で技術習得して他領で生産されたり技術ぶっこ抜かれたりしないですかね?スパイ対策とか大丈夫だろうか
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