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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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いよいよ明日!?領地、緊急大混乱モードへ

数日後――。


臨時宿舎の建設は、相変わらず地面が忙しくなっているだけで、建物が増えている気配はあまりない。


「梁が足りません!!」

「その前に人手が足りません!!」

「そもそも間に合いません!!!」


……という叫び声は、もはや日常になっていた。


そんな中、またもや早馬がやってくる――


と思いきや。


■早馬、来ない。馬だけ来た。


「……あれ? 人、乗ってない?」


ガルドが目を細める。


馬は明らかに焦っている。


ブルルッ! ヒヒーン!!(はやく!!はやく!!)


とでも言いたげに、必死に領主館の前を行ったり来たり。


父はぽつりと言った。


「……まさか、馬だけで来たのか?」


そして馬の目が合った瞬間――


ドンッ!


父は馬に掴まれた。


馬は父の服を噛んで強引に引っ張り、

「乗れ!!」とばかりに背中を差し出す。


「え、いや、ちょっと――わ、わかった!!」


父は半ば強制的に馬へ。


馬は走り出した。


ダダダダダダダッ!!!


どこのコントだと言いたくなるほどの勢いで、

父を背に暴走する馬。


「どこに行くんだぁぁぁぁ!!」


必死な叫びが村に響く。


■若い兵士、道に落ちていた


途中の道端に――


若い兵士が転がっていた。


「おいッ!? 大丈夫か!!?」


兵士は地面に指で文字を書き残していた。


『ねむい』


どうやら、眠気に負けて馬から転げ落ちたらしい。


「……そんなことあるか?」


父は呆れながらも、その兵士を馬にくくりつけ、引きずらないよう調整しつつ領主館まで急いだ。


■ガルドの迅速な対応


到着するや否や、ガルドは即行動。


「こちらへ! 簡易ベッドを!」


すでに用意していたかのように、

ふかふかの布団を敷き、毛布までかける。


母は呟いた。


「……まるで疲れ果てた旅人を癒やす聖堂ね」


父も頷く。


「最近、ガルドが神に見えてきた……」


その言葉にガルドは静かに微笑んだ。


「お褒めにあずかり光栄です」


■翌朝――兵士覚醒


朝、若い兵士は突如ガバッと上体を起こした。


「助けていただき、ありがとうございました!!」


「いや、こちらこそ……寝落ちするまで働かせてしまったのか?」


すると兵士は急にキリリとした表情になり、


「――で、伝言です!!」


父・母・ガルドの背筋が伸びる。


兵士は胸を張り、大きな声で叫ぶ。


「商隊、明日中にも到着予定とのこと!!」


一瞬の沈黙。


「明日……?」


「明日“中”……?」


父が確認する。


「それは……今日の“明日”か?

それとも昨日の“明日”か?」


「もちろん、昨日の明日です!」


兵士は元気いっぱい笑った。


「てへっ!」


その瞬間――


■領主夫妻、大パニック


「今日来るんじゃないのよおおおおおお!!」


「なんで昨日言ってくれなかった!!」


「昨日は寝てました!!」


「寝落ちしてたーーー!!!?」


領内に悲鳴が轟く。


ガルドは冷静に手を叩いた。


「……はい、落ち着きましょう」


その声で場がすっと静まる。


「向こうから“急に来る”と言われている以上、もう仕方ありません。入口に門番を立て、到着を確認し次第、私に報告させましょう」


父はぐったりとした。


「……ガルドだけが頼りだ……」


母も遠い目をした。


「……この領地の実質の支配者ね……」


ガルドは軽く笑い、出て行った。


「では、到着に備えて準備を進めます」


■いよいよ――運命の“面会”


ついに明日。


領主と、王室近衛隊長が正式に顔を合わせる。


そして、そのすぐ後ろには――

“史上最大規模の学生実習隊”が迫っていた。


嵐は、もう目の前だった。

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