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階段から転落して思い出しました!89歳まで生きた私、今度の人生は異世界で半島領の次女です  作者:


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金は嘘をつかない

パナーは、セリアから預かった品を抱え、旧ガリオン領まで足を伸ばしていた。

一ヶ所ではなく、あえて何ヶ所にも分けて持ち込む。

品の価値が高すぎる以上、一度に動かすのは危険だ。


結果として、現金化はすべて成功。

どれも文句のつけようがない一級品以上。

買い手の目の色が変わるのを、何度も見た。


足が付かない様に、とは言われたけど……


まさか、自分が裏で品を売り捌く立場になるとは思わなかった。

表の仕事では帳簿を整え、書類を運ぶ側だ。

だが今回は違う。

名も記さず、痕跡も残さず、金だけを受け取る。


まあ……任務は達成ね。


そう胸を撫で下ろしかけた、その時だった。


最後に立ち寄った店で、亭主が何気なく漏らした一言。


「最近よ、増えてるんだわ。あんたみたいな手合いが」


一瞬、手が止まる。


「……私みたいな?」


「身なりは違うが、匂いが似てる。多分、貴族筋の品だろうな。ここ最近、やけに出入りが多い」


笑いながらの言葉だったが、パナーの背筋に冷たいものが走った。


これは……


宿に戻る道すがら、考えが止まらない。


現金化。裏取引。足が付かない品。


セリア様に、報告しないと!


機構からは、今のところ目立った情報は上がっていない。警備隊も同様だ。


だが――


表に出ていないだけ?


金は、嘘をつかない。

何かが起きる時、必ず先に動くのは金だ。


私達が知らない所で、もう始まってる……?


パナーは、握った金袋の重みを確かめるように指に力を込めた。


この違和感は、きっと偶然ではない。

静かに、しかし確実に。何かが、動き出している。


先に、掴みに行く。


「大丈夫よ」


セリアは立ち上がり、窓の外を見た。


「この領地は、もう“何も知らない側”じゃない」


静かに、しかし確実に。

フェルナード領の水面下で、情報戦が始まっていた。

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