寄せ集めの三角形
「連絡しときましたぜ!」
「よし」
部下の報告に、アステリアは短く頷いた。
「ここへ来る様に手配するとの事です。それから……更に情報を仕入れてきました!」
「聞こう」
部下は手元の紙を確認しながら続ける。
「男爵家は三名。
一人目は女領主です。主に畜産が有名な領地で、港は持ってますが遠浅らしく、中小型船が中心みたいっす」
「ふむ」
「二人目は男領主。かなり若いらしいです。父親が突然病に倒れて、急遽家を継いだとか。
こちらは農業が盛ん。同じく港はありますが、水深はあるものの湾自体が狭いらしいっす」
「急な代替わり、か……」
「で、最後の一人は、この三名の中で一番領地が遠い男爵です。
木材加工が得意で、大きな森も抱えてるそうで。港はあるらしいんですが、ほとんど開発されてないみたいっす」
説明が終わり、部下は顔を上げた。
「三名とも、それぞれ事情を抱えてる感じですな」
「……だな」
アステリアは腕を組む。
畜産、農業、木材。
分野は見事にバラけている。
しかも全員、港は持っているが“決定打”に欠ける。
「共通してるのは?」
「主な客が、王都って事ですなぁ」
「……なるほど」
王都が止まれば、三人まとめて詰む。
だからこそ、第1地区の復旧に手を挙げた。
「まあ……」
アステリアは軽く息を吐いた。
「本人達と話すまで、何とも言えんな」
状況だけ見れば、使いやすい。
だが、追い詰められた相手ほど、判断を誤る事もある。
「利害が噛み合うか。それとも、足を引っ張り合うか……」
第1地区の瓦礫の向こうを見据えながら、アステリアは静かに笑った。
「さて。どんな“三角形”になるか、見せてもらおうか」
それにこいつら3人共、上にいた貴族はちげーが、貴族が反乱の片棒かついて、居なくなってるじゃないか。
嫌だね〜。上が反乱起こして、下は忠実に少ないながらも兵力出して駆けつけてきたっていうのに。




